井上 人太のブログ

家の性能は数字だけじゃ語れない。耐震・断熱・気密・遮音の本当の話:プロが教える「体感」できる家づくり

  • 2025月11年24日
  • 投稿者:井上 人太

はじめに:カタログの「数字」に騙されていませんか?

皆さん、こんにちは!

最近の家づくりでは、「性能」を重視する方が増えています。耐震等級3、断熱等性能等級6、C値1.0…など、住宅会社のカタログには様々な「数字」が並んでいますよね。

もちろん、これらの数字は家の品質を示す重要な指標です。しかし、私たちが数多くの家を建ててきて思うのは、**「家の性能は数字だけじゃ語れない」**ということです。

なぜなら、数字が高くても、**「住んでみたら寒い」「音がうるさい」「地震の揺れが思ったより大きい」**と感じる方がいるからです。

それは、**数字の裏に隠された「施工の質」や「設計の工夫」**が、快適さを大きく左右するからです。

この記事では、あなたが本当に「体感」できる高性能な家を手に入れるために、耐震、断熱、気密、遮音の4つの性能について、**数字の奥にある「本当の話」**を、大阪のプロの視点から分かりやすく解説します。

1. 耐震性能の本当の話:等級3のその先にある安心

専門用語を噛み砕く:耐震等級3とは?

耐震等級3は、建築基準法で定められた耐震等級1(震度6強〜7の地震でも倒壊しないレベル)の1.5倍の強さを持つ、現行の最高基準です。消防署や警察署などの防災拠点となる建物は、この等級3で建てられます。

数字の裏側:耐震等級3でも「揺れの感じ方」は違う

  • 【盲点】:等級3は「倒壊しない」強さですが、「揺れない」わけではありません。繰り返しの余震によって建物にダメージが蓄積するリスクは残ります。

  • プロの対策:等級3に加えて**「制震(せいしん)ダンパー」**を導入することをおすすめします。制震ダンパーは、地震の揺れを熱に変換して吸収する装置で、揺れを最大80%程度低減する効果が期待できます。これにより、建物のダメージを抑え、家の中の家具の転倒リスクも軽減できます。

[Image of: 住宅の柱と梁の間に設置された「制震ダンパー」のイメージ図]

2. 断熱性能の本当の話:数値より大切な「熱をコントロールする設計」

専門用語を噛み砕く:断熱等性能等級6とは?

断熱等性能等級6は、高い断熱性能を示す指標です。**Ua値(ユーエーち)という、「どれだけ熱が家から逃げにくいか」**を示す数字で評価されます。数字が小さいほど高性能です。

数字の裏側:断熱材を分厚くしても「寒い・暑い」理由

  • 【盲点】:いくらUa値が高くても、窓(開口部)の性能が低ければ、熱はそこから逃げ放題です。特に大阪の家では、窓全体の面積が小さいため、一つ一つの窓の性能(トリプルサッシなど)が非常に重要です。

  • プロの対策:大阪の猛暑とヒートアイランド対策では、**「日射遮蔽(にっしゃしゃへい)」**が不可欠です。**軒(のき)や庇(ひさし)を深くしたり、外付けのブラインド(オーニング)**を設置したりして、夏の強い日差しを窓の手前で遮ることが、エアコン代を抑える最善の方法です。

3. 気密性能の本当の話:C値の数字が教えてくれる「体感温度」

専門用語を噛み砕く:C値とは?

**C値(シーち)は、「どれだけ家が隙間なく建てられているか(気密性)」**を示す数字です。床面積1㎡あたりの隙間の面積(cm²)で表され、数字が小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことを示します。

数字の裏側:C値が低いと「寒い」だけでなく「計画換気」も台無しに

  • 【盲点】:C値が低い(隙間が多い)と、せっかくの高性能な断熱材も効果を発揮しません。隙間風が入ることで、室内の温度差が生まれ、「エアコンは効いているけど足元が寒い」といった現象(コールドドラフト)が起こります。

  • プロの対策:C値が低いと、シックハウス対策で義務付けられている**「24時間換気システム」が計画通りに機能しません。新鮮な空気が計画的に入ってこず、古い空気が排出されないため、室内の空気の質が悪くなります。C値は「実測」で計測してもらい、最低でも1.0以下**を目指しましょう。

4. 遮音性能の本当の話:音のトラブルを未然に防ぐ設計

専門用語を噛み砕く:遮音(しゃおん)とは?

遮音とは、外部からの音(騒音)を遮断し、また内部の音を外部に漏らさないための性能です。

数字の裏側:大阪の都市生活における音の問題

  • 【盲点】音のトラブルは、建て替え後の近隣トラブルの原因として非常に多いものです。特に大阪市内の狭小地では、隣家との距離が近く、生活音(子どもの声、ピアノ、ペットの鳴き声)が漏れやすいです。

  • プロの対策:外部からの音対策としては防音性の高い窓が効果的ですが、内部の音対策も重要です。洗濯機や乾燥機を回す「ランドリールーム」を隣家の寝室から遠ざけるなど、間取りで音の発生源と隣家の距離を確保する設計の配慮が、何より大切です。

【実例・ケーススタディ】高性能住宅の「体感」の違い

同じ「耐震等級3、Ua値0.45」という高水準の家を建てた、D様とE様(ともに大阪府在住)のケースです。

項目 D様(失敗例) E様(成功例)
C値(気密性) 2.5(実測なし) 0.5(全棟実測)
設計 窓は標準サッシ。軒が浅い。 窓は高性能サッシ。軒が深い。
体感 「夏は2階が異常に暑い。冷房が全然効かない。隙間風を感じる」 「真夏でも室内は快適。エアコンをあまり使わず、電気代も安い」

プロの教訓:E様宅はC値実測と深い軒によって、数字の持つ性能を最大限に引き出していました。性能数値だけでなく、**「その数字を活かすための設計と施工がされているか」**が、快適さの決定的な違いを生みます。

✅ まとめ:家の性能で後悔しないための「読者への一言アドバイス」

家の性能を語る上で最も重要なのは、**「設計と施工の丁寧さ」**です。

カタログの数字を信じるだけでなく、以下の3点を住宅会社に尋ねてみてください。

  1. C値の目標値は何ですか?そして、それは全棟実測してもらえますか?」

  2. 「大阪の夏に対応した日射遮蔽の具体的な設計(軒・庇の深さなど)を見せてください。」

  3. 制震ダンパーの導入による、揺れの軽減効果をシミュレーションできますか?」

これらの質問に明確に答えられる会社こそが、あなたの快適な暮らしを実現してくれる、**本当の「高性能住宅のプロ」**ですよ。

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