井上 人太のブログ

二階建てでも“ほぼ平屋”の暮らしを実現する間取り設計

  • 2025月11年25日
  • 投稿者:井上 人太

こんにちは!

「本当は平屋に憧れているんです。でも、大阪市内で平屋を建てるほどの広い土地なんて、予算オーバーで…」

八尾市や大阪市内で土地探しをしているお客様から、こんなため息交じりのご相談をよくいただきます。わかります、その気持ち。ワンフロアで生活が完結する平屋のラクさは魅力的ですよね。でも、このエリアでそれを実現しようとすると、土地代だけでとんでもないことになってしまいます。

そこで今回は、大阪の現実的な土地サイズ(25坪~35坪前後)でも実現できる、**「二階建てなのに、住み心地はほぼ平屋」**という魔法のような間取りのお話をします。

鍵を握るのは、意外にも**「階段」**なんです。 階段をただの「上下移動の装置」と考えるか、「家の中心(コア)」と考えるかで、毎日の家事のラクさが劇的に変わりますよ!

大阪で「平屋」は高嶺の花?それなら「ほぼ平屋」という選択肢がある!

まず、「ほぼ平屋」とは何かを定義しておきましょう。 これは、**「夫婦の主な生活(LDK+水回り+主寝室や収納)を1階で完結させ、2階は子ども部屋や予備室だけにする」**というスタイルの2階建て住宅のことです。

これなら、子どもが巣立った後の老後は1階だけで生活できるため、永く安心して暮らせます。しかし、大阪の狭小地や密集地では、1階に全ての要素を詰め込むとLDKが狭くなってしまうことも…。

そこで重要になるのが、**「1階と2階をつなぐ動線の最適化」**です。たとえ2階を使って生活するとしても、そのストレスを限りなくゼロに近づける設計。それが今回のテーマです。

家の心臓部は「階段」だ!生活動線が劇的に変わる配置の極意

間取り図を見る時、みなさんLDKの広さばかり気にしていませんか? プロの建築士が最初に考えることの一つ、それは**「階段をどこに置くか」**です。これによって、家の骨格が決まります。

玄関直結 vs リビング階段、大阪の気候と家族仲でどう選ぶ?

昔ながらの「玄関ホールにある階段」。 これのメリットは、冬場の冷気が2階から降りてきてもリビングが寒くならないこと。断熱性能があまり高くない時代はこれが正解でした。

しかし、今の高気密・高断熱住宅、かつ家族のつながりを重視するなら、断然**「リビング階段」**がおすすめです。 特に大阪の夏は暑いですが、最近の住宅性能ならエアコン1台で家中の温度差をなくすことも可能です。 「ただいま」と帰ってきた子どもが必ずリビングを通る安心感。そして何より、廊下というデッドスペースをリビングの一部として取り込めるので、限られた坪数でも広く見せることができます。

魔法の「センター階段」で、廊下をゼロにするテクニック

私が特におすすめしたいのが、家の真ん中に階段を配置する**「センター階段」**という手法です。

家の端に階段があると、そこに行くまでの長い廊下が必要になりますよね? でも、家の中心に階段があれば、LDK、洗面所、玄関、どこからでもアクセスが最短になります。

例えば、キッチンから振り返ればすぐに階段があり、洗濯機のある洗面所へも数歩。 この**「回遊動線(くるくる回れる動線)」**の中心に階段を据えることで、行き止まりがなくなり、家事の歩数が驚くほど減ります。これは忙しい共働きのご夫婦には最強のレイアウトです。

「ただの通路」にしてはもったいない!ホールの取り方で印象は激変する

階段を上がった先の「2階ホール(廊下)」。ここを単なる「各部屋への通路」にしてしまうのは、土地の高い大阪ではもったいなさすぎます!

2階ホールを「第二のリビング」や「室内干しスペース」に

階段ホールを少し広め(3畳~4畳)にとってみてください。 そこにカウンターを置けば、ご主人の書斎スペースやお子さんのスタディコーナーに早変わり。

また、大阪はPM2.5や黄砂、急なゲリラ豪雨など、外干ししにくい日も多いですよね。 ホールの天井にアイアンバーを取り付けておけば、**「風通しの良い室内干しスペース」**になります。 階段の吹き抜けを通じて1階のエアコンの風が循環するので、実はここ、洗濯物がすごくよく乾くんですよ。

視覚的な広がりを生む「吹き抜け×階段」の相乗効果

「2階建てだと圧迫感が出そう…」と心配な方は、階段部分を**「スケルトン階段(蹴込み板がない骨組みだけの階段)」**にして、小さな吹き抜けと組み合わせてみてください。

視線が斜め上に抜けるだけで、15畳のリビングが20畳くらいに感じられます。 光を遮る壁がなくなるので、北向きの土地や、隣家が迫っている大阪市内の土地でも、上からの光を1階の奥まで届けることができます。

階段の上り下りが苦にならない!「上下動を感じさせない」設計術

「ほぼ平屋」を目指すなら、究極的には**「階段を使わなくても生活が回る」**仕組みを作ることです。

1階完結型ランドリーで「重い洗濯物」を持って上がらない

一番しんどい家事は「濡れて重くなった洗濯物を2階のベランダまで運ぶこと」ではないでしょうか? これをやめるだけで、2階への心理的な距離はグッと遠ざかります。

1階に「洗う・干す・畳む・しまう」が完結するファミリークローゼット付きのランドリールームを作りましょう。 これなら、平日は1階だけで家事が終わり、2階に上がるのは「寝る時だけ」。まさに「ほぼ平屋」の暮らしです。

将来を見据えて…1階に「寝られる部屋」を一室作る意味

もし30坪程度の広さが確保できるなら、LDKの横に4.5畳~6畳の洋室(または畳コーナー)を作っておくことを強く推奨します。

  • 子どもが小さいうちは:お昼寝や遊び場、着替えスペースとして

  • 風邪を引いた時は:隔離部屋として

  • そして老後は:夫婦の寝室として

これさえあれば、将来足腰が弱っても、リフォームなしで1階だけで生活が完結します。「2階建てを建ててしまった…」という後悔を、「2階立ても悪くないじゃん!」に変える保険のような一室です。

まとめ:階段を制する者は、大阪の狭小地を制する

「平屋がいいけど、土地がない」 そんな悩みを持つ大阪の方こそ、**「階段」**にこだわってください。

階段を家の端っこに追いやるのではなく、暮らしの中心に据える。 そして、1階で家事が完結する動線を組む。 そうすれば、2階建てであっても、平屋のようなフラットでラクな暮らしは十分に実現できます。

図面を見る時は、指でなぞってシミュレーションしてみてください。 「朝起きて、顔を洗って、洗濯機を回して…あ、ここで階段を上らないといけないのは面倒だな」 そんな気づきが、あなたの家を「最高の住まい」に変えてくれますよ。

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