失敗しない窓の選び方
- 2025月11年27日
こんにちは!
みなさん、間取り図を見ている時、**「窓」**のこと、どれくらい真剣に考えていますか? 「リビングだから大きな掃き出し窓(ガラガラと開く窓)でいいや」 「とりあえず南側に窓をつけておけば明るいはず」
もしそう思っているなら、ちょっとだけ待ったをかけさせてください! 図面の上では単なる「四角いマーク」や「線」にしか見えませんが、窓は**「家の住み心地(暑さ・寒さ)」と「外観のデザイン」、そして「防犯」**を決定づける、めちゃくちゃ重要なパーツなんです。
特に大阪のような住宅密集地では、窓の選び方一つで、「一日中カーテンを閉め切った暗い家」になるか、「明るくて風が抜ける開放的な家」になるかが決まります。
今回は、建築士が頭の中で描いている「光と風の設計図」を、みなさんに分かりやすくシェアしますね。
「南向き=正解」は大阪では危険?南向き神話の落とし穴
「南向きの土地を買ったから、南に大きな窓を作ろう!」 これは家づくりのセオリーですが、大阪市内や八尾市の住宅街でこれを無防備にやると失敗することがあります。
道路や隣家から丸見え…「カーテンの壁」になっていませんか?
せっかく南に大きな窓を作っても、そのすぐ目の前が人通りの多い道路だったり、お隣さんのリビングの窓だったりしたらどうでしょう? 結局、視線が気になってレースカーテンどころか、遮光カーテンまで一日中閉めっぱなし…。これでは窓の意味がありませんよね。これを私は「カーテンの壁」と呼んでいます。
プロは、「窓の方角」だけでなく**「窓の先にあるもの」**を見ます。 視線が抜けないなら、あえて南の窓を小さくして上の方(高窓)に付けたり、中庭を作って内側に開いたりする方が、結果的にカーテンを開けて暮らせる「本当に明るい家」になります。
図面の「□」記号を信じるな!その窓、本当に開けますか?
図面に窓が描いてあると、風が通るような気がしますよね。でも、隣家との距離が1mもないような場所に普通の引き違い窓をつけても、風は通りませんし、お隣の壁が見えるだけです。 「なんとなく配置」はやめて、「ここから風を入れて、あそこへ抜く」という意図を持って窓を置く必要があります。
窓の種類を変えるだけで快適度が激変!プロの「使い分け」術
日本の住宅で一番多いのは「引き違い窓(横にスライドする窓)」ですが、実はこれ、気密性が低く(隙間風が入りやすい)、デザインも野暮ったくなりやすいんです。 建築士が好んで使うのは、以下の3つの窓です。
【縦すべり出し窓】大阪の微風を室内に取り込む「ウインドキャッチ」
ドアのように外側にパカッと開く縦長の窓です。 これのすごいところは、壁に沿って吹く風を窓ガラスが捕まえて、室内にグイッと引き込んでくれること。これを**「ウインドキャッチ効果」**と言います。 風通しの悪い大阪の密集地でも、この窓を風向きに合わせて配置すれば、引き違い窓の何倍もの換気能力を発揮します。
【横すべり出し窓】雨の日も換気OK!視線もカットできる優等生
下側を軸にして、外側に突き出すように開く窓です。 ガラスが庇(ひさし)のような役割をするので、少々の雨なら開けていても室内が濡れません。梅雨時期の換気に最適! また、曇りガラス(型板ガラス)にして高めの位置に設置すれば、外からの視線は空に向かってカットされるので、プライバシー確保にも役立ちます。トイレや洗面所、寝室の枕元におすすめです。
【FIX窓(はめ殺し)】景色を切り取り、気密性を高めるデザイン枠
開かない窓です。「開かないと意味ないじゃん」と思うなかれ。 枠(フレーム)が細くてスッキリしているので、まるで絵画のように外の景色を切り取ることができます。 開閉金具がない分、気密性・断熱性が最強です。「ここは通風はいらない、光と景色だけ欲しい」という場所には、積極的にFIX窓を使いましょう。コストダウンにもつながりますよ。
大阪の夏を涼しく、冬を暖かく。「日射」をコントロールする思考法
「窓」は壁に穴を開けているのと同じ。つまり、熱の出入りが一番激しい場所です。 特に大阪の夏は38℃近くになりますから、ここをどう攻略するかが電気代と快適性に直結します。
夏は「遮蔽」が命!カーテンより効く「外付けシェード」と「軒」
太陽の熱は、家の中に入ってからカーテンで防いでも手遅れです(カーテン自体が熱を持ってしまうため)。 「窓の外」で防ぐのが鉄則。
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南側の窓には**「軒(のき)や庇(ひさし)」**を出して、真夏の高い太陽高度の光をカットする。
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西日や朝日の入る窓には、**「アウターシェード(外付けロールスクリーン)」**や簾(すだれ)をつける。
これだけで、夏の冷房の効きが劇的に良くなります。
冬は「取得」でポカポカ!南面のガラス選びに注意せよ
逆に冬は、太陽の暖かさを取り込みたいですよね。 最近の窓ガラス(Low-E複層ガラス)には、「遮熱タイプ(熱を入れない)」と「断熱タイプ(熱を取り込む)」があります。
大阪のプロの定石としては、
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東西北の窓: 「遮熱タイプ」で西日や冷気をガード。
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南の窓: 「断熱タイプ(日射取得型)」にして、冬のポカポカ陽気を取り込み、夏は軒でガードする。
このように方角によってガラスの種類を使い分けるのが、賢い家づくりのテクニックです。
泥棒に狙われない?防犯とプライバシーを守る窓配置
「大きな掃き出し窓」は、泥棒にとっても侵入しやすい入り口です。 防犯を考えるなら、以下のポイントを押さえましょう。
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人が通れない細さにする: 縦すべり出し窓や横すべり出し窓には、幅が細い(人が通れない)サイズがあります。これなら開けっ放しでも侵入できません。
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高さを利用する: 高い位置にある「ハイサイドライト」なら、足場がない限り侵入は困難です。
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CPマーク: どうしても大きな窓が必要な場合は、防犯合わせガラス(CPマーク付き)を選びましょう。
「シャッターを閉めれば安全」と思いがちですが、長期旅行中にシャッターが閉まりっぱなしだと「留守です」と言っているようなもの。窓そのものの配置とサイズで防犯するのが、今の主流です。
まとめ:窓は「壁」であり「開口」である。メリハリが大事
窓選びに失敗しないコツは、**「すべての部屋に漫然と窓をつけないこと」**です。
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風を入れたいなら「縦すべり出し窓」
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光だけ欲しいなら「FIX窓」
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視線を遮りたいなら「高窓」
そして、必要ない場所は思い切って**「窓をなくす(壁にする)」**のも重要な選択です。壁があれば家具も置けるし、断熱性能も上がります。
図面を見る時は、ぜひ「自分がそこに立った時、その窓から何が見えるか?」「風はどう抜けるか?」を想像してみてください。 四角い記号の向こう側に、あなただけの快適な暮らしが見えてくるはずです。

