山浦 莉弥のブログ

共働き世帯必見!毎日をより快適にする工夫とは?

  • 2025月12年06日
  • 投稿者:山浦 莉弥

こんにちは!住宅アドバイザーの山浦です。

家づくりというと、デザインや間取りの広さに目が行きがちですが、私たちが数多くのお客様の暮らしを見届けてきて、本当に断言できることがあります。

それは、「暮らしの質は、設備や広さではなく、『動線』で決まる」ということです。

特に、仕事と子育てを両立されている共働き世帯の皆様にとって、家での「時間の使い方」は、そのまま暮らしの質に直結します。

朝の慌ただしい時間、夕方の帰宅後のバタバタした時間。

これらの日常の動きの中に潜む小さな「ムダ」や「ストレス」を、設計の力でゼロに近づけること。

大阪は活気あふれる街ですが、その分、通勤や仕事、子どもの送り迎えなど、毎日の生活は本当に忙しいですよね。

その忙しさから生まれるストレスを減らし、家族が心豊かに過ごせる時間を生み出す鍵こそが、「動線設計」なんです。

今回は、大阪の忙しい毎日をラクにし、家での時間を豊かにするための、特に重要な三つの動線設計について、プロの視点から深く掘り下げてお話しします。

家事のストレスを設計で解消!共働きを支える「家事動線」

家事動線とは、料理、掃除、片付けなど、日常の家事を行う上での人の動きのことです。

この動線に無駄があると、一日に何度も往復するうちに、知らず知らずのうちに体力と時間を消耗し、共働きのご夫婦にとって大きな負担となってしまいます。

私たち設計士が、お客様のライフスタイルをヒアリングする中で最も重要視するのが、キッチン周りの動線です。

大阪の戸建て住宅の場合、敷地の制約からコンパクトな間取りになりがちですが、その中でいかに効率的な動線を生み出すかが「暮らしの質」を左右します。

【具体的な設計のコツ】

  • 「ゴールデントライアングル」の短縮 キッチンでは、「コンロ」「シンク」「冷蔵庫」を結んだ線が正三角形に近い形になっていると、最も作業効率が良くなります。動線の総距離を短くするだけでなく、一歩の移動で作業が完結するように緻密に設計することで、忙しい朝の「無駄な動き」をゼロにします。

  • 回遊性の確保と「ながら家事」の実現 キッチンからパントリー、パントリーから洗面所(脱衣所)というように、部屋を行き止まりにせず、ぐるりと回れる間取りに「回遊性」を持たせます。これにより、料理の合間に洗濯機を回し、そのままサッと脱衣所へ、といった「ながら家事」が格段にラクになり、ノーストレスな毎日の基盤が生まれます。

  • 収納の分散と集中 頻繁に使う調理器具や食材はキッチンに集中させますが、ストック品や日用品はパントリーに分散させ、取り出しやすいよう工夫します。使う場所のすぐ隣にしまう場所があれば、片付けも負担になりません。

「たった数歩」の積み重ねが、年間では膨大な時間と労力の削減につながります。

この削減された時間こそが、共働きのご夫婦が週末に家族とゆっくり過ごせる「暮らしの質」を上げる時間になるのです。

最短距離が鍵!雨の日もラクな「洗濯動線」でストレスフリーへ

共働き世帯が増えている近年、「洗濯」という家事は、天候や時間に左右されがちな大きなストレス源となっています。

このストレスを解消してくれるのが、「洗濯動線」の最適化です。

洗濯動線とは、「脱ぐ」→「洗う」→「干す」→「畳む・しまう」までの一連の流れを、いかに少ない移動距離で、ノーストレスで完結させるかという考え方です。

【具体的な設計のコツ】

  • 「脱ぐ・洗う・干す」のワンフロア完結 理想は、脱衣所、洗濯機、そして室内干しができる「ランドリールーム」をすべて同じフロアにまとめることです。特に二階建て、三階建てが多い大阪の都市型住宅では、洗濯物を抱えて重い階段を上り下りする手間をなくすことが、共働きの負担を劇的に減らします。

  • 乾燥機と室内干しの両立スペース 大阪は梅雨やゲリラ豪雨が多く、花粉の季節も長いため、室内干し専用のスペースは必須です。乾燥機(ドラム式など)の隣に、一時的に吊るせるスペースを設けることで、天候に左右されない「ノーストレスな毎日」を実現できます。

  • ファミリークローゼットとの隣接 最終工程の「畳む・しまう」も重要です。畳んだ後の衣類を、各居室に運ぶのは手間ですよね。ランドリールームの隣に家族全員の衣類をまとめて収納できる「ファミリークローゼット」を配置することで、仕分け移動の手間を大幅に削減し、暮らしの質が向上します。

あるご家族の事例では、この動線を改善したことで、「家事の時間が劇的に減り、夜に自分の趣味の時間を持てるようになった」という嬉しいお声をいただきました。

動線設計は、設備投資以上に、生活にゆとりと満足感をもたらす確かな投資なのです。

衛生面と片付け習慣化を両立する「帰宅動線」

最後にご紹介したいのが、「帰宅動線」です。これは、家族が外出先から帰宅し、リビングや自分の部屋に入るまでの動きを指します。

「ただいま!」と玄関に入ってから、手洗い、うがい、上着を脱ぐ、荷物を置く、といった一連の動作が、スムーズに行えるかどうかが、

室内に汚れや花粉を持ち込まない秘訣となり、「ノーストレス」な環境維持につながります。

【具体的な設計のコツ】

  • 玄関直結の「手洗い場」 リビングに入る前に手を洗える動線は、衛生面で非常に優れています。玄関を入ってすぐの場所に、小さくても独立した洗面台を設けることで、家族全員が自然と手洗い・うがいをする習慣がつきます。

  • 「脱ぐ・置く」を完結させる土間収納 コートやカバン、子どもの遊び道具などを玄関で脱いだり置いたりできる「土間収納」や「ファミリークローゼット」を設けます。これにより、リビングに上着や荷物が散らかるのを防ぎ、家族全員の片付け習慣を自然と身につけさせることができます。

  • 勝手口の活用(買い物動線) 買い物から帰ってきたとき、重い荷物(米や飲料など)を駐車場や駐輪場からキッチンまで運ぶ動線も考慮しましょう。勝手口をキッチンの近くに配置し、重い荷物でも最短距離でパントリーに運び込める設計は、日々のノーストレスな毎日に欠かせません。

 

動線設計は家族の未来をつくる設計です

家事動線、洗濯動線、帰宅動線。この三つの動線を突き詰めることは、共働きのご家族の「暮らしの質」を上げ、「ノーストレスな毎日」を実現する、最大の設計要素です。

私たちは、大阪という地域性を理解し、忙しい毎日の中でも、「この家のおかげでラクになった」「家族と過ごす時間が増えた」と感じていただけるように、

お客様一人ひとりの生活習慣や価値観を深くヒアリングします。そして、そのご家族のためだけの最適な動線設計をご提案させていただきます。

家づくりの計画を立てる際は、ぜひ一度、ご自身の「一日の動き」をシミュレーションしてみてください。

そこに見えてくる小さな「ストレス」や「無駄な動き」こそが、皆さんの理想の家づくりへのヒントになりますよ。

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