山浦 莉弥のブログ

「旅行や趣味も諦めない」適切な予算の決め方!

  • 2025月12年12日
  • 投稿者:山浦 莉弥

こんにちは!住宅アドバイザーの山浦です。

「夢のマイホーム」を考えたとき、誰もが「いくらまでなら借りられるだろう?」と考えます。

しかし、私たち大阪で長年家づくりをサポートしてきたプロの視点から言えば、

「借りられる額」と「無理なく返せる額」は、全く違います。

特に大阪での生活は、美味しいグルメや、USJ、万博記念公園といったレジャースポットも多く、

ご家族で楽しめる機会が豊富です。

家を建てたからといって、こうした旅行や趣味にかける費用を犠牲にする生活は、絶対に避けるべきです。

家づくりで最も大切なのは、「住まいも、暮らしも、両方豊かにすること」です。

この視点から、どうやって「家族が本当に楽しめる」適切な予算を決めるべきか、具体的なステップで解説していきます。

1. 最初に考えるべきは「家計の安心ライン」:住宅費用を”逆算”する

多くの方が、まず「土地の価格」や「建物の費用」から予算を積み上げていきがちですが、

これでは予算オーバーになりやすいです。

私たちが推奨するのは、現在の家計から住宅費用を逆算する方法です。

ステップ①:現在の「ゆとり」を把握する

まずは、現在の世帯月収から、生活費、教育費、保険料、そして毎月確実に確保したい「レジャー・趣味・貯蓄費」を引いてみてください。

(例)

【現在の月収】25万円

【必須の生活費】3万円(食費)+光熱費・通信費(3万円)

 【趣味・レジャー・貯蓄費】6万円

【住宅に充てられる月々の最大額】13万円

この「住宅に充てられる月々の最大額」が、あなたの家にとっての「安心ライン」です。

この金額を超えると、ご家族の旅行や趣味にシワ寄せがいく可能性が高くなります。

この計算を基に、住宅ローン返済額(元金と利息)がどのくらいになるかを把握しましょう。

私たちの視点: 住宅ローンの返済額は、手取り月収の20%〜25%以内に抑えるのが理想的です。この比率なら、将来の金利変動や急な出費(例:お子様の教育費増加)があっても、レジャー費用を削ることなく、柔軟に対応しやすくなります。

ステップ②:将来の「支出増加」を見積もる

お子様がいらっしゃるご家庭なら、将来確実に増加する教育費を考慮に入れることが極めて重要です。

例えば、お子様が大学に進学する時期には、年間数十万円単位で支出が増えることが予想されます。

このピーク時に、住宅ローンが高額だと、趣味どころか生活自体が圧迫されてしまいます。

「教育費のピーク時」に、旅行や趣味の費用を確保できるか?

この視点で、最長35年の返済期間中の家計の動きをシミュレーションすることで、本当に適切な借入額が見えてきます。

2. 見落としがちな「諸費用」という落とし穴

「土地代と建物代で、総額は決まり!」と思ったら大間違い。

予算をオーバーしてしまう最大の原因の一つが、「諸費用」の見積もり不足です。

これは、家を建てる・買うときにかかる、住宅ローン以外の費用のことです。

家を建てる場合、以下のような費用が総額とは別に必要になります。

  • 住宅ローン関連費用:保証料、事務手数料、火災保険料など。

  • 税金関連費用:不動産取得税、登録免許税、印紙税など。

  • 外構費用:塀、フェンス、駐車場、庭の整備費用。

  • 引越し費用・家電家具の購入費用

これらの諸費用は、一般的に「総費用の10%~15%」にもなることがあります。

例えば、総額4000万円の家づくりなら、400万円〜600万円が別途必要になる計算です。

この諸費用を住宅ローンに組み込むのか、自己資金でまかなうのかで、最終的な借入額が大きく変わってきます。

 以前、大阪市内で狭小地の家づくりをされたお客様で、「外構費用をほとんど見ていなかった」というケースがありました。予算をすべて建物に使い切ってしまい、結局、数年間、殺風景な駐車場で我慢することに。家が完成しても、外構が整うまでは、バーベキューなどの趣味も楽しめなかったそうです。諸費用までしっかり予算に組み込むことで、完成後すぐに新居での生活を満喫できます。

3. 「土地代」「建物代」の予算配分:賢くメリハリをつける

「安心ライン」と「諸費用」が明確になったら、残りの予算を「土地代」と「建物代」に振り分けます。

大阪府内、特に大阪市内のように利便性の高い地域では、どうしても土地の価格が高くなりがちです。

  • 土地に予算をかける場合: 利便性を重視し、土地に多く費用を割く場合は、建物のグレードや設備でメリハリをつける工夫が必要です。内装材を少し抑えたり、設備のグレードを再検討したりすることで、建物予算を圧縮できます。

  • 建物に予算をかける場合: 性能やデザイン性を重視し、建物に多く費用を割く場合は、土地を郊外に広げたり、狭小地での高効率な設計を選ぶなど、土地代を抑える工夫が必要です。

 

どちらに比重を置くかは、ご家族のライフスタイルによりますが、

私たち専門家としては、夏暑く冬寒い大阪の気候を考慮し、「建物の断熱性や気密性」といった基本性能には、

しっかり予算を割くことをお勧めします。

高性能な家は、光熱費を抑え、将来にわたって家計を助けてくれるからです。

4. 適切な予算は「家族の楽しみ」を保証するもの

住宅の予算決めは、単に数字を並べる作業ではなく、「ご家族の将来の楽しみ」を保証するための設計図です。

無理な予算設定は、ローン返済が重荷になり、せっかく建てた家での生活が窮屈になってしまいます。

そうではなく、適正な予算で、素敵な家を建て、

そして毎年家族旅行に行ったり、週末に趣味に没頭したり、美味しいものを食べに行ったり。

そんな豊かで楽しい生活を送っていただくことこそが、私たちの願いです。

ぜひ、「この予算なら、将来もずっと笑顔でいられる」と思えるラインを見つけて、家づくりをスタートさせてください。

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