「建物価格」だけでは家は建たない? 諸費用のリアル
- 2025月12年18日
こんにちは!住宅アドバイザーの山浦です。
私が家づくりをお手伝いさせていただく中で、一番大切にしていること。
それは、完成した時がゴールではなく、住み始めてからも、そして打ち合わせの最中もずっと、
お客様が「最後まで楽しい家づくり」を実感できることです。
しかし、その「楽しさ」を邪魔する大きな壁があります。それが「お金への不安」です。
特に、チラシやホームページで見かける「建物価格」とは別にかかってくる「諸費用」という言葉。
これ、初めて聞く方にとっては、正体が見えなくて本当に不気味ですよね。
「結局、全部でいくらかかるの?」「後から追加で請求されるんじゃないか……」
そんなモヤモヤを抱えたままでは、ワクワクするはずの間取り選びも楽しめません。
今日は、八尾や大阪市内で家を建てる際に避けては通れない「諸費用の正体」を、包み隠さずお話しします。
この記事を読み終える頃には、あなたの心の中にある「お金の霧」が晴れて、
不安ゼロで家づくりをスタートできるようになっているはずです。
「建物価格」だけでは家は建たない? 諸費用のリアル
まず、皆さんに知っておいていただきたい残酷な(?)真実があります。
それは、「2,000万円の家」を買うには、2,000万円以上のお金が必要だということです。
「当たり前やん!」と思われるかもしれませんが、この「プラスアルファ」の部分が、
想像以上に多岐にわたります。一般的には、建物本体価格の10%〜12%程度が諸費用の目安と言われています。
3,000万円の家なら、300万円〜400万円ほどが、建物以外のお金として動くイメージですね。
では、その内訳は一体何なのか。
大きく分けると「税金・登記」「ローン関係」「土地・インフラ関係」の3つに分類されます。
1. 国や役所に支払う「手続きのお金」
ここは、どんなに私たちが頑張っても値引きができない、いわば「決まっているお金」です。
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印紙代: 契約書に貼る切手のようなものです。
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登記費用: 「この土地と建物は私のものです!」と国に登録するための費用。司法書士さんへの報酬もここに含まれます。
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不動産取得税: 家を手に入れた後にやってくる税金です(軽減措置もありますが、計算に入れておくのがプロの優しさです)。
2. 銀行に支払う「安心のためのお金」
住宅ローンを借りる際にかかる経費です。
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融資手数料・保証料: 銀行によってピンキリですが、ここが一番大きな金額になりやすいポイントです。
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火災保険料: 大阪は台風の通り道になることもありますし、密集地では火災への備えも不可欠。最近は地震保険も含めてしっかり検討される方が多いですね。
3. 大阪・八尾ならではの「工事にまつわるお金」
ここが一番のクセモノであり、私たちがプロとして最も神経を使う部分です。
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大阪の土地事情が「諸費用」を左右する理由
八尾市や大阪市内で家を建てる場合、広大な分譲地とは違った「地域特有の事情」があります。
これが諸費用にダイレクトに響いてくるのです。
例えば、「地盤改良工事」。 大阪平野は、場所によっては地盤が非常に軟弱なエリアがあります。
「見た目は綺麗な更地だけど、地中を調べたらズブズブだった……」というケースは珍しくありません。
強固な家を建てるために、地面の下に杭を打つなどの補強が必要になれば、これだけで数十万、時には100万円単位の費用がかかります。
次に、「狭小地や前面道路のルール」。
大阪の古い街並みでは、前の道が狭い(4m未満など)ことがよくあります。
そうなると、大きなトラックや重機が入っていけません。
小さな軽トラックに資材を積み替えて何度も往復する「小運搬費(しょううんぱんひ)」という、
大阪の住宅会社にとっては「あるある」な追加費用が発生することもあります。
さらに、「準防火地域」という指定。
家が密集している地域では、火災の延焼を防ぐために、
窓ガラスを網入りにしたり、燃えにくい特別な建材を使わなければなりません。
これも、標準的な建物価格に上乗せされる要因の一つです。
これらを知らずに、「建物本体が安いから」と契約してしまうと、
後から「地盤改良で100万、道路の関係で50万、防火仕様で……」と雪だるま式に予算が膨らみ、
当初の楽しさはどこへやら。
最後は「どこを削るか」という悲しい引き算の家づくりになってしまいます。
私たちは、そんな悲しい思いをお客様にさせたくありません。
だからこそ、最初のご提案の段階で、その土地の性格を徹底的に調べ、
「おそらくこれくらいは必要になるだろう」という予測を含めた、
正直な見積もりをお出しすることにこだわっています。
「不安ゼロ」で進めるための、失敗しない3つのポイント
では、どうすれば最後まで笑顔で、予算オーバーに怯えずに家づくりができるのでしょうか。
私がお客様にいつもお伝えしている、3つの鉄則をお教えします。
① 「概算」ではなく「総額」で会話をする
展示場などで「坪単価いくらですか?」と聞くのは、実はあまり意味がありません。
会社によって、どこまでを「坪単価」に含めるかがバラバラだからです。
「カーテンも照明も、庭の外構工事も、銀行の手数料も全部ひっくるめて、私が住み始めるまでにいくら必要ですか?」
こう聞いてみてください。ここで言葉を濁したり、「それは後から決めていきましょう」と逃げる会社は要注意です。
② 大阪の土地に強いパートナーを選ぶ
前述した地盤や道路の問題は、その土地の歴史を知っている地元の会社が一番詳しいものです。
「このあたりは昔、田んぼやったから地盤改良が必要かもな」
「この道は朝、通学路になるから警備員を配置せなあかんな」
そんな「現場のリアル」を最初から予算に組み込める会社なら、後からのサプライズ(悪い意味での)を防げます。
③ 「予備費」を必ず確保しておく
家づくりが進んでいくと、
「せっかくやから、このキッチンにしたい!」「やっぱりコンセントを増やしたい!」といった、
ワクワクする欲求が出てくるものです。
諸費用をキチキチに見積もるのではなく、あらかじめ50万円〜100万円ほど「ワクワクのための予備費」として
予算枠を確保しておくこと。
これが、精神的なゆとりを生み、最後まで楽しい家づくりを実現するコツです。
家族の笑顔を守るための、プロのプライド
私たちは、まず土地を徹底的に調査し、諸費用をすべて洗い出し、
家具の買い替え費用や引っ越し代まで含めた「ライフプラン表」を一緒に作ります。
「これ以上はお金、増えませんから。安心して、どんなキッチンにしたいかだけ考えてください」
そうお伝えした時の、お施主様のホッとした顔は今でも忘れられません。
家づくりは、人生で最大級のイベントです。
だからこそ、理屈や数字だけでは割り切れない「感情」が大切なんです。
お金の話は、プロがしっかりと交通整理をする。
お客様は、新しい家でどんな暮らしをしたいか、どんな思い出を作りたいか、その「楽しい想像」だけに集中してほしい。
それが、地元・八尾で家づくりを続ける私たちの誇りであり、使命だと思っています。
不安を「希望」に変えるために
「諸費用の正体」は、決して怖いものではありません。
正しく知り、正しく準備をすれば、それは新しい生活を支えるための「必要経費」だということが分かります。
もし、今あなたが「ネットで調べれば調べるほど、いくらかかるか分からなくなってきた……」と不安を感じているなら、
一度立ち止まってみてください。
そして、あなたの不安に寄り添い、大阪の土地の特性を理解し、
包み隠さずすべてを話してくれるパートナーを探してください。
八尾の風土を知り尽くした私たちも、いつでもここであなたをお待ちしています。
あなたの家づくりが、一歩目から最後の一歩まで、笑顔とワクワクで満たされたものになることを、心から願っています。
「不安ゼロ」の先に待っているのは、家族の「最高の笑顔」です。
一緒に、最高の家づくりを始めましょう。

