山浦 莉弥のブログ

共に育つ家

  • 2026月01年16日
  • 投稿者:山浦 莉弥

こんにちは!住宅アドバイザーの山浦です。

今日は、家づくりの中にある「大切なテーマ」についてお話しさせてください。それは、「長く使い続けたい愛用品」についてです。

「家づくりのブログで、なんで道具の話?」と思われるかもしれません。

でも、大阪という街を思い浮かべてみてください。

ここは古くから「ものづくりのまち」として、何世代にもわたって技術を磨き続けてきた職人さんたちの魂が息づく場所です。

プレス加工、ネジ、石鹸、木工……。この街の空気には、単なる「消費」ではなく、良いものを手入れしながら長く使うという、美しくて力強い生活文化が染み込んでいます。

そんな大阪で家を建てるなら、ただ新しいだけの家ではなく、10年後、20年後に「もっと好きになっている家」にしてほしい。

そのためには、職人の手仕事が感じられる素材や、使い込むほどに味わいが増す「経年変化」を楽しめる道具選びが欠かせないんです。

「傷」が「思い出」に変わる、無垢という選択

家づくりにおいて、最も面積が広く、毎日肌に触れるものといえば「床」ですよね。

最近は傷がつきにくく、お手入れも簡単な合板のフローリングが主流ですが、

私たちはあえて、職人が丁寧に削り出した「無垢(むく)の木」をお勧めすることがあります。

「無垢の木は傷がつきやすいし、水に弱いんでしょう?」と心配される方もいらっしゃいます。

確かに、小さなお子さんがおもちゃを落とせば凹みますし、飲み物をこぼせば跡が残ることもあります。

でも、実を言うと、そこが最高に愛おしいポイントなんです。

八尾の蒸し暑い夏の日、無垢の床は足裏の湿気を吸い取って、サラリとした心地よさを与えてくれます。

逆に冬は、木の細胞の中に含まれる空気が断熱材の役割をして、冷え込みを和らげてくれる。

大阪の気候を一番よく知っているのは、実はこの自然の木そのものかもしれません。

そして何より、時間が経つにつれて色が深く、艶やかに変わっていく。

最初は明るかったオークや杉の木が、10年も経つと重厚な飴色に変化し、

ついた傷さえも「あの時、あの子がここで遊んでいたな」という家族の歴史の一部になります。

これは、表面をプリントした既製品では決して味わえない、手仕事の素材だけが持つ「時間の魔法」なんです。

手に触れるたび、心が躍る「真鍮(しんちゅう)」の道具

次に注目してほしいのが、ドアノブや家具の取っ手、照明のスイッチプレートといった、毎日必ず「手が触れる」小さなパーツです。

真鍮という素材はご存知でしょうか。

最初はキラキラとした金色で少し派手に見えるかもしれませんが、空気に触れ、人の手で触れられるうちに、

少しずつくすんで、落ち着いたアンティークのような表情に育っていきます。

八尾の町工場でも、こうした金属加工の技術は本当に素晴らしいものがあります。

大量生産のプラスチック製品は、買った瞬間が一番綺麗で、あとは劣化していくだけ。

でも、職人が一つひとつ仕上げた真鍮の取っ手は、使うほどに手になじみ、使うほどに美しさを増していきます。

朝、起きてリビングのドアを開ける。その瞬間のひんやりとした金属の質感と、少しずつ色が変わっていく様を愛でる。

そんな何気ない日常の積み重ねが、家を単なる「建物」から、世界に一つだけの「我が家」に変えてくれるのだと信じています。

左官職人が塗り上げる、呼吸する壁

壁についても少しお話しさせてください。

大阪の住宅密集地では、どうしても家の中に湿気がこもりがちです。そこで活躍するのが、左官職人さんの手仕事による「塗り壁」です。

漆喰や珪藻土といった天然素材を使った壁は、まるで家全体が呼吸しているかのように、湿度を調整してくれます。

職人さんがコテ一つで壁に表情をつけていく様子は、まさに芸術。

照明の光が当たった時に、そのわずかな凹凸が作る陰影は、壁紙(クロス)では絶対に出せない奥行きと温かみを生み出します。

「手仕事は高いんじゃないの?」と聞かれることもありますが、長い目で見ればどうでしょうか。

10年ごとに貼り替える必要がある壁紙に対して、塗り壁はメンテナンスをしながら一生使い続けることができます。

汚れたら少し削ったり、上から塗り重ねたり。その「手間」すらも、家を育てる楽しみの一つになるんです。

「便利」の先にある「豊かさ」を見つめて

今の世の中、ボタン一つで何でもできる「便利な家」は簡単に手に入ります。

全自動の設備、汚れを弾くコーティング、傷がつかない素材。もちろん、それらも生活を楽にしてくれる大切な要素です。

でも、私たちが本当に届けたいのは、その一歩先にある「心の豊かさ」です。

朝の光の中で、無垢のテーブルをオイルで拭く。

真鍮のスイッチプレートのくすみを見て、月日の流れを感じる。

地元・八尾の職人さんが作った家具に腰掛けて、一日の終わりを過ごす。

こうした「手間のかかる、愛おしい道具」に囲まれた暮らしは、私たちの心をふっと穏やかにしてくれます。

職人の手仕事が宿る道具には、作り手の願いが込められています。

「長く、大切に使ってほしい」というその想いは、住む人の心にも必ず伝わるものです。

あなただけの「愛用品」から、家づくりを始めませんか?

家づくりを考えるとき、まずは「LDKは何帖ほしいか」「駐車場は何台分か」といった数字から入りがちです。

でも、もしよろしければ、一度立ち止まって考えてみてほしいんです。

「自分が一生、手入れしながら使い続けたい道具は何だろう?」と。

例えば、お気に入りの作家さんのコーヒーカップ。

おじいちゃんから譲り受けた、古いけれど味のある木箱。

あるいは、これから新居に迎え入れたい、八尾の職人さんが作った一枚板のダイニングテーブル。

その「たった一つの愛用品」が、実は家づくりの素晴らしいヒントになります。

その道具が似合う空間はどんな色か? その道具を一番美しく見せる光はどこから入るのか? そんな風に広げていく家づくりこそが、あなたにとっての「正解」だと私は思います。

私たちは、皆さんのそんな「こだわり」や「好き」を、プロの技術と地元の知識で形にするパートナーでありたい。

傷を恐れず、変化を楽しみ、家族と一緒に歳を重ねていく。そんな、骨太で温かい家を一緒に作っていきましょう。

「経年変化を楽しめる素材って、実際にはどんな感じ?」「職人さんの家具、どこで見られるの?」といった、

もっと深いお話がしたい方は、ぜひお気軽にお声がけください。

10年後の無垢床の表情や、真鍮のパーツがどう育ったか、写真や実物をご覧いただきながらお話しすることもできます。

次は、あなたの「好きなもの」について、ゆっくり聞かせてください。

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