四季を楽しむ家づくり
- 2026月01年17日
こんにちは!住宅アドバイザーの山浦です。
家を建てようとお考えの皆さんは、きっと「家の中では一年中、快適に過ごしたい」と願っていらっしゃいますよね。
もちろん、最新の断熱材や高性能なエアコンで室温を一定に保つことは、私たちから見ても非常に大切です。
でも、本当の意味で「豊かな暮らし」というのは、数字で測れる温度だけでは作れない気がしています。
特にここ八尾や大阪市内のような住宅密集地では、窓を開けても隣の家の壁だったり、
季節の移ろいを感じる庭を作るスペースが限られていたりすることも珍しくありません。
だからこそ、家の中に季節を呼び込む仕掛けいわゆる、「季節の設え(しつらえ)」が、日々の暮らしに潤いを与えてくれるんです。
今日は、大がかりな模様替えではなく、誰でも今日から始められる、大阪の街に寄り添った「季節の楽しみ方」についてお伝えします。
なぜ、いま「季節の設え」が大切なのか
昔の日本の家には、床の間(とこのま)があって、そこに季節の花を活けたり、掛け軸を変えたりする文化が当たり前にありました。
でも、今の現代的な住宅では、床の間を作るケースは少なくなっています。
その代わり、私たちは「忙しすぎる毎日」を送っていますよね。
特に大阪の夏は、湿気がまとわりついて、立っているだけで体力を削られるような暑さです。
冬は冬で、生駒山や信貴山からの冷たい風が吹き下ろし、心まで縮こまってしまいそうになる。
そんな時、ふと視線を向けた場所に、季節を感じる「色」や「素材」があったらどうでしょう。
「ああ、もうすぐ夏が来るな」「冬の足音が聞こえてきたな」と、自然のサイクルを感じるだけで、不思議と心が整い、家への愛着が深まっていくものです。
家は単なる避難所ではなく、心を満たす場所であってほしい。 私はそう考えています。
大阪の夏を「目」と「耳」で涼む知恵
大阪の厳しい夏を乗り切るために、私たちは設計の段階で風の通り道を必死に考えますが、住まい手の皆さんにお勧めしたいのが「視覚的な涼」の取り入れ方です。
例えば、玄関のちょっとしたニッチや棚の上に、ガラスの器を置いてみてください。
そこに水を張り、近所の花屋さんで見つけた一輪の花を浮かべる。
あるいは、「ガラス」の工芸品を並べるだけでもいいんです。
透明感のある素材がそこにあるだけで、体感温度が1度下がるような気がしませんか?
また、風鈴の音色も素敵です。
住宅密集地では「音が近所迷惑にならないかな?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、家の中に風鈴を吊るしてみるのも一つの手です。エアコンの風や、人が通り過ぎる時のわずかな空気の動きで、「チリン」と控えめに鳴る音。
それは、五感を通じて脳に「涼しさ」を届ける、日本人が長年培ってきた最高の知恵なんです。
冬の冷たさを「温もり」に変える素材のしつらえ
一方で、冬の設えは「包み込まれるような安心感」がテーマになります。 八尾の冬は、底冷えがします。
そんな時は、クッションカバーをリネンからウールやベルベットに変える。ソファの足元に、少し厚手のラグを敷く。これだけで、リビングの空気感がガラリと変わります。
最近の注文住宅では、あえて「見せる収納」として本棚や飾り棚を作る方が増えています。
そこに、暖色系のキャンドルを置いたり、ドライフラワーを飾ったりするのもいいですね。
私がお勧めしたいのは、「光の設え」です。 冬は日が落ちるのが早いですから、間接照明を効果的に使ってみてください。
オレンジ色の温かい光を壁に当てるだけで、部屋の中に奥行きが生まれ、家族が集まる場所がキャンプファイヤーを囲んでいるような、優しい空間に変わります。
狭小地でも、マンションでもできる「小さな床の間」作り
「うちはそんなに広くないし、飾る場所なんてないわ」と仰る方もいらっしゃいます。 でも、季節の設えに広いスペースは必要ありません。
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玄関の靴箱の上:帰宅して一番に目に入る場所。
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トイレの小さな棚:一番落ち着く、プライベートな空間。
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キッチンのカウンターの端:家事をしている時に、ふと視線が落ちる場所。
こうした「小さなステージ」を家の中に一箇所作るだけでいいんです。
住宅密集地で土地の広さが限られていても、私たちは設計の工夫で「ニッチ(壁を凹ませた飾り棚)」を作ることができます。
ここに季節のものを置くと、空間にメリハリが出て、家全体が生き生きとしてくるから不思議です。
お子さんがいらっしゃるご家庭なら、一緒に季節の行事を楽しむのもいいですね。
八尾の夏祭り「河内音頭」の時期には、うちわを飾ってみる。秋には散歩で見つけたどんぐりや落ち葉を並べてみる。
そんな「季節の欠片」を家の中に持ち込むことが、子供たちの感性を育み、家族の共通の思い出になっていきます。
道具を愛でる、八尾らしい「しつらえ」
前の記事でもお話ししましたが、八尾は職人の街です。 季節の設えに使う道具一つとっても、長く使い続けられるいいものを選んでほしいなと思います。
職人が丁寧に作った陶器の花瓶、木目の美しいトレイ、手織りのクロス。
こうした道具たちは、季節ごとに箱から取り出されるたびに、「あぁ、またこの季節が巡ってきたな」という喜びを運んできてくれます。
経年変化で深みを増した道具は、新しい季節を迎えるごとに、より一層その場に馴染んでいきます。
家づくりにおいて「間取り」や「設備」が骨組みだとしたら、「季節の設え」は、その家に通う血の巡りのようなもの。
私たちが頑丈で快適な箱を作ります。そこに、皆さんが季節ごとの彩りを添えていく。そうして初めて、その家は「完成」に近づいていくのだと思います。
四季と共に、家を「育てる」楽しみ
大阪の街で暮らす皆さんに伝えたいのは、家は建てた時がゴールではない、ということです。
季節に合わせてしつらえを変えることは、家をメンテナンスし、愛でることと同義です。
春の柔らかな光、夏の力強い風、秋の澄んだ空気、冬の静かな夜。
その時々の自然の表情を家の中に取り込むことで、毎日の何気ない生活が、少しだけドラマチックに感じられるはずです。
八尾・大阪の風土を知り尽くした私たちだからこそ、その季節ごとの「心地よさ」を最大化する設計をご提案できます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

