井上 人太のブログ

【防犯】「狙われない家」を作る。大阪の治安事情に合わせたオープン外構とクローズ外構の境界線

  • 2026月01年16日
  • 投稿者:井上 人太

株式会社シーキューブの広報担当として、第10のテーマ「防犯と外構設計」について、読者の不安に寄り添いつつ、シーキューブならではの設計思想(パッシブ設計、トータルコストバランス、家族の絆)を深く掘り下げた、約2,300文字のコラムを執筆いたしました。


大阪で家づくりを検討されているお客様から、プランニングの初期段階で必ずと言っていいほど上がるのが「防犯」への不安です。

「このエリアは人通りが多いから、家の中を覗かれないか心配」「夜道が少し暗いので、空き巣に入られないような頑丈な塀を作りたい」

大切な家族が暮らし、絆を紡ぐ場所である住まいにおいて、「安心・安全」は何物にも代えがたい土台です。

しかし、防犯を意識しすぎるあまり、まるで要塞のように家を閉ざしてしまえば、そこには「映画のような心地よい暮らし」とはかけ離れた、閉塞感のある空間が生まれてしまいます。

私たちシーキューブは、1971年の創業以来、地元・大阪の街と、そこに暮らす家族の姿をずっと見守ってきました。

今日は、大阪のリアルな治安事情と向き合いながら、防犯性と開放感を高い次元で両立させる「狙われない家」の作り方について、本音でお話しします。

1. 泥棒の心理から考える「本当に強い家」とは?

防犯対策を考えるとき、私たちはまず「泥棒の視点」に立って設計を検証します。意外かもしれませんが、空き巣などの侵入犯が最も嫌がるのは、物理的に高い壁や強固な門扉ではありません。彼らが犯行を断念する最大の理由は、**「人に見られること(視線の存在)」と「侵入に時間がかかること」**の2点に集約されます。

ここで、多くの人が陥りがちな「防犯の勘違い」があります。それが「高い塀で家を隠せば安心」という思い込みです。 家をすっぽりと隠してしまう「クローズ外構」は、確かに通行人からの視線は遮ってくれます。しかし、もし一度敷地内への侵入を許してしまったらどうなるでしょうか。高い塀は、泥棒にとって「周囲からの視線を遮り、落ち着いて作業ができる絶好の隠れみの」に変わってしまうのです。

大阪の密集地において、最強の防犯カメラとなるのは「お隣さんや通行人の目」です。私たちは、完全に閉ざすのではなく、適度に視線が通る「セミクローズ外構」こそが、都市型住宅における防犯の正解だと考えています。

2. オープン外構に「知恵」と「仕掛け」を組み込む

最近は、街並みに開放感を与え、駐車スペースも確保しやすい「オープン外構」を希望される方も増えています。防犯面を心配される声もありますが、パッシブ設計を得意とするシーキューブでは、設計の工夫で「オープンなのに安心な家」を形にします。

  • 「音」で知らせる防犯砂利の活用 建物の裏手や窓の下など、死角になりやすい場所には、踏むと大きな音が出る「防犯砂利」を敷き詰めます。これは、侵入者に対して「ここは防犯意識が高い家だ」という強烈な心理的プレッシャーを与える、トータルコストバランスに優れた代替案です。

  • 「光」による心理的バリア 人感センサー付きの照明は、もはや防犯の定番です。しかし、シーキューブではただ明るくするだけでなく、建物のデザインと調和した「おもてなしの光」として配置します。夜遅く帰宅した家族を温かく迎え入れつつ、不審者が近づけばパッと照らし出す。この光の演出が、家族の絆を守る守護神となります。

  • 「境界線」の明確化 物理的な塀がなくても、「ここからは私有地である」というメッセージを視覚的に伝えることが重要です。床のタイルの色を変える、低い植栽を配置する、あるいはデザイン性の高い縦格子のフェンスを一点置く。こうした「心理的な境界線」を引くことで、不当な侵入を未然に防ぎます。

3. 「2階リビング」という究極の防犯代替案

もし、土地の条件が厳しく、1階でのプライバシーや防犯の確保が難しい場合、私たちは「2階リビング」という解決策を提案します。

1階を個室や大容量のクローゼット、水回りにまとめ、家族が最も長い時間を過ごすリビングを2階へ上げる。これだけで、通行人と目が合うストレスから解放され、カーテンを全開にして空と光を楽しむことができます。不審者にとっても、「人がいる場所(2階)まで辿り着くのに時間がかかる」「下から中の様子をうかがい知れない」というのは、犯行を躊躇させる大きな要因となります。

「できない理由」を探すのではなく、どうすれば家族が一番笑って過ごせるか。そのための代替案を出し続けるのが、シーキューブの誇りです。

4. 奉恩感謝 ― 街との繋がりが家族を守る

私たちが外構設計で大切にしている考え方に、理念の一つである「奉恩感謝」があります。これは、周りの人々への感謝を忘れず、恩に報いるという精神です。

家をガチガチの要塞にするのではなく、少しだけ街に開き、玄関先に小さな花壇を作ったり、夜道を照らす明かりを灯したりする。すると、不思議なことにその家は「地域の人々に愛される存在」になります。近所の方と「こんにちは」と挨拶を交わす関係性がある家は、泥棒にとって最も手出しがしにくい家です。なぜなら、異変があればすぐに誰かが気づいてくれるからです。

私たちは、専門用語を並べるのではなく、こうした「住んでからの幸せな日常」を想像していただけるよう、例え話を使って誠実に対話を重ねます。防犯カメラの台数を増やすことよりも、地域に溶け込む美しい佇まいを作ることの方が、長期的な安心に繋がることも多いのです。

5. 「収納設計」がもたらす意外な防犯効果

シーキューブが強みとする「収納設計」も、実は防犯に一役買っています。 玄関周りや庭が散らかっている家は、泥棒から見て「管理が行き届いていない」「不在を察知しやすい」と判断されがちです。

私たちが提案する「大容量の土間収納」や「家族全員の荷物が収まるファミリークローゼット」を活用すれば、外に荷物が溢れることがありません。スッキリと整った外観は、住む人の「規律」を感じさせ、悪い隙を与えません。見た目の美しさと防犯性が、トータルコストバランスの中で見事に合致するのです。

まとめ:安心の先にある、家族の笑顔のために

家づくりは、箱を作って終わりではありません。その中で何十年と続く、家族の物語を支え続けることが私たちの使命です。

大阪の治安事情という「現実」をしっかりと見据えつつ、最新のテクノロジー(スマートロックや防犯ガラスなど)と、古き良き日本が持っていた「向こう三軒両隣」の知恵を融合させる。それこそが、シーキューブが提案する現代の「狙われない家」の正解です。

「予算内でどこまで防犯を高められる?」「オープン外構にしたいけど、やっぱり少し不安……」 そんなお悩みをお持ちなら、ぜひ一度私たちの相談会へお越しください。私たちは、正直に、まっすぐに、あなたの不安を解消するための工夫と代替案を全力でご提示します。

個別相談予約はこちら