COLUMNコラム

狭小住宅の収納設計|玄関から寝室まで「床を見せる」仕組みづくり

2026.03.05

狭小住宅の収納設計|玄関から寝室まで「床を見せる」仕組みづくり

目次

狭小住宅の収納設計|玄関から寝室まで「床を見せる」仕組みづくり 狭小住宅は、広さで勝負する住まいではありません。 “散らからない仕組み”で広さの制限を克服して、広い感覚をつくるものなのです。 同じ8畳でも、 床が見えている家と、物が置かれている家では、 体感はまったく違います。 C.CUBE建築設計では、 収納を「後付け」ではなく「構造と同時」に設計します。 ここでは、玄関から寝室まで、場所ごとに整理します。 ―――――――――――――――――― 玄関収納|「とりあえず置き」をなくす設計 ### 結論   玄関は“忘れ物ゼロ”の拠点にする。 なぜ重要か 朝の「鍵どこ?」が家の空気を変えます。 時間、心の余裕もかわってくる毎日です。 狭小住宅では玄関が小さいため、小さいものは床置きは致命的です。 設計方法 ■ キーニッチ(奥行き80mm程度) 鍵・印鑑・マスクを入れる。 壁に 8cmほど埋め込むだけで、 棚を置くことを考えると30cm以上の有効スペースが増えることになるかと思います。 ■ スリッパニッチ(奥行き100mm) 床にラックを置かない。 専門家視点 ニッチは耐力壁には作れません。 構造段階で「削れる壁」を選びます。 廊下収納|“視覚ノイズ”を消す 結論 廊下は“平らにする”だけで広く見える。 なぜ重要か スイッチやモニターが飛び出していると、狭さを強調します。 ### 設計方法 ■ スイッチ・リモコンニッチ(奥行き30〜50mm) 壁に沈めてフラット化。 ### 生活の例 狭い通路で袖が引っかかる。 毎日だと確実にストレスになります。 専門家視点 壁の凹凸が減ると、光が均一に回り、空間が広く感じます。 ―――――――――――――――――― # キッチン収納|作業台を空にする ### 結論 作業台は“常に何もない状態”を作る。 ### なぜ重要か 狭小キッチンは幅が限られる。 上に物があると、料理が窮屈になります。 ### 設計方法 ■ 調味料ニッチ(奥行き100〜120mm) コンロ横に設置。 ■ 冷蔵庫横マガジンニッチ(奥行き50〜80mm) プリントやゴミカレンダーを集約。 ### 生活の例 テーブルの上にプリントが散乱。 夕食時にどける作業が増える。 ### 専門家視点 ニッチの中にコンセントを入れると、 調理家電も隠しながら充電も可能。 ――――――――――――――――――   # ダイニング収納|“逃げ場”を作る ### 結論 テーブル横に避難場所を作る。 ### なぜ重要か 食事と作業が同じ場所になるため、 逃げ場がないと物が残ります。 ### 設計方法 ■ スタディニッチ(奥行き100mm) ノートPC、文具、プリント。 ### 生活の例 夕食時に「ちょっとどけて」と言わなくて済む。 ### 専門家視点 動線を止めない収納が、家族の空気を整えます。 ―――――――――――――――――― # リビング収納|テレビ周りを制する ### 結論 テレビボードを置かない。 ### なぜ重要か 床が見える面積が体感広さを決めます。 ### 設計方法 ■ AV・ガジェットニッチ(奥行き100〜150mm) ルーター、ゲーム機、充電機器。 ■ 扉付き+内部コンセント 配線を完全に隠す。 ### 生活の例 コードが絡まると、部屋が一気に生活感だらけに。 ### 専門家視点 電源計画を収納と同時に設計しないと、結局コードが外に出ます。 ――――――――――――――――――

壁一面のクローゼットを備えた、5.3帖の主寝室。

# 寝室収納|床を見せる工夫 ### 結論 ナイトテーブルを置かない。 ### なぜ重要か 狭小寝室では家具1つが圧迫感を生みます。 ### 設計方法 ■ ベッドサイドニッチ(奥行き100mm) スマホ・眼鏡・本。 ### 生活の例 夜中にスマホを置く場所がない小さなストレス。 ### 専門家視点 掃除のしやすさも同時に確保できます。 ――――――――――――――――――   # 洗面脱衣収納|清潔感を守る ### 結論 カウンターに物を置かない。 ### なぜ重要か 狭小洗面は面積が限られます。 ### 設計方法 ■ サニタリーニッチ(奥行き100〜120mm) 歯ブラシ・化粧水。 ■ リネンニッチ(奥行き120〜150mm) タオル・洗剤ストック。 ### 生活の例 朝の洗面が混み合う時間帯でも広く感じます。 ### 専門家視点 湿気対策と通気計画も同時に考えます。 ――――――――――――――――――

お気に入りのインテリアも映える

# 全体を通しての黄金比 隠す:70% 見せる:20% 魅せる:10% 全部隠すと冷たい。 全部見せると狭い。 視線を一点に集めると、狭さから意識が離れます。 ―――――――――――――――――― # 最後に 狭小住宅で散らからない家は、 「片付けが上手」なのではありません。 床に置かせない仕組みがあるだけです。 収納は、性格の問題ではなく、 構造と同時に決める設計の問題なのです。   ―――――――――――――――――― # よくある質問(FAQ)|狭小住宅の場所別収納設計   ## Q1. 狭小住宅でまず改善すべき場所はどこですか? **結論** 玄関です。 **理由** 玄関は“家の第一印象”であり、物が床にあると一気に狭く見えます。毎日必ず使う場所だからこそ影響が大きいのです。 **具体策** ・鍵用ニッチ(奥行100mm) ・マスク・印鑑の定位置 ・床置きラックをなくす — ## Q2. 廊下が狭く感じるのはなぜですか? **結論** 壁が出っ張っているからです。 **理由** インターホンやスイッチが飛び出していると、視覚的に通路が細く感じます。 **具体策** ・スイッチニッチ(奥行30〜50mm) ・モニターを壁内に沈める — ## Q3. キッチンが狭く感じる最大の原因は? **結論** 作業台の上に物があることです。 **理由** 人の脳は“何もない面積”を広さと認識します。 **具体策** ・調味料ニッチ(奥行100〜120mm) ・家電用コンセントを収納内に設置 ・冷蔵庫横に薄型ニッチ — ## Q4. ダイニングテーブルが散らかるのを防ぐ方法は? **結論** テーブル横に逃げ場を作ることです。 **理由** 食事と勉強・仕事が同じ場所になるため、物が残ります。 **具体策** ・スタディニッチ(奥行100mm) ・プリント専用スペース — ## Q5. リビングを広く見せる一番の方法は? **結論** テレビボードを置かないことです。 **理由** 床が見える面積が増えると体感は広くなります。 **具体策** ・AVニッチ(奥行100〜150mm) ・内部にコンセント設置 ・扉付きで配線を隠す — ## Q6. 寝室が窮屈になる原因は? **結論** 家具の置きすぎです。 **理由** 狭小寝室では家具1つが圧迫感になります。 **具体策** ・ベッドサイドニッチ(奥行100mm) ・ナイトテーブルをなくす — ## Q7. 洗面所が散らかる理由は? **結論** “浮かせる収納”がないからです。 **理由** カウンターが狭いため、物があふれます。 **具体策** ・サニタリーニッチ(奥行100〜120mm) ・タオル用ニッチ(奥行120〜150mm) — ## Q8. ニッチ収納はどこにでも作れますか? **結論** いいえ。耐力壁には基本作れません。 **理由** 建物を支える壁を削ると耐震性に影響します。 **具体策** ・構造計画と同時に位置決定 ・後付け前提にしない — ## Q9. 「隠す・見せる・魅せる」の黄金比とは? **結論** 70%隠す、20%見せる、10%魅せる。 **理由** 視覚情報を減らすと広く感じます。 少しの“見せる”が温かみを生み、1割のフォーカルポイントが印象を作ります。 — ## Q10. 狭小住宅で収納を成功させる最重要ポイントは? **結論** 収納は“性格”ではなく“設計”です。 **理由** 片付けが苦手でも、床置きゼロ設計なら散らかりません。 **具体策** ・床に物を置かせない ・壁厚100〜130mmを活用 ・収納内に電源を計画 ・構造と同時に設計 今回の大阪で建てる橋上住宅 「収納」コラムのおまとめ要約 狭小住宅は床が見える面積が広さを決める。 ニッチ収納は奥行100mmが基本。 収納は70%隠す・20%見せる・10%魅せる。 耐力壁にはニッチ不可。 テレビ周りは100〜150mmニッチ+電源で解決。 収納は片付けではなく設計の問題  

毎週火曜日11時20分から
FM79.2MHz「OH家エー あなたのお家の相談室」でも、
こうした都市型住宅の考え方をお話しています。

焦らず、一緒に整理していきましょう。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 安本昌巨 ブログ用プロフィール 株式会社シーキューブ代表取締役。二級建築士。 住宅業界歴28年以上。 大手ハウスメーカーの下請け工事店として現場経験を積み、新築・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、これまで累計700棟以上のご家族様の住まいづくりに関わってきました。 大阪を中心に、狭小地や都市部住宅など条件の難しい住まいにも数多く向き合う中、 「どんな家を建てるか以上に、誰に相談するかが、暮らしの満足度を左右する」 ということを実感しています。 著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』(刊・エルハウス)では、住まいを通じた家族の関係性について発信。 また、79.2MHz FMやお『OH家エーあなたのおうちの相談室』では、メインコメンテーターとして、専門的な住宅の話をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。 小学生のころまで、冬になると一度外へ出なければ入れなかった祖父の家の寒いお風呂。 そして大学生のとき、神戸で阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの家を何軒も見て回ったこと。 「家は性能以上に、日常と命を守る場所だ」 と確信するようになりました。 家を単なる「性能商品」としてではなく、 「住み心地そのものを性能として考える」 そんな住まいの相談相手として、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

COMPANY

会社案内

Kyosyoは変形地・狭小住宅の専門店です。設計事務所と一緒につくるから、お客様だけのオンリーワンのお家を実現します。

CONTACT

お問い合わせ

建て替えや変形地・狭小で土地がお決まりの方はもちろん、土地はまだ決まっていないお客様も、ぜひ一度お問い合わせください。

個別相談予約 資料請求 無料相談