【大阪の狭小地×3階建て住宅】共働き世帯が後悔しない「間取り」と「家事動線」の解答 洗濯動線を考える
【大阪の狭小地×3階建て住宅】
3階建ては本当に住みにくいのか?
共働き世帯が後悔しない「間取り」と「家事動線」の現実的な解答
洗濯動線を考える
大阪市内や私たち会社本社がある八尾市など、
その周辺で家づくりを考えたとき、
多くの方が一度は立ち止まります。
「できれば2階建てがいいのでは」
「でも、この立地、この広さ、この価格だと…3階建てしかないですよね」
これは妥協でしょうか。
それとも、賢い選択でしょうか。
私は30年以上、住宅会社として現場に立ち、
狭小地・変形地・旗竿地など、条件の厳しい土地で
数多くの木造3階建て住宅を手がけてきました。
その中で強く感じているのは、
3階建てが「合わない人」よりも、
「合わないつくり方」が圧倒的に多い、という事実です。
この記事では、
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なぜ3階建てが「しんどそう」に見えるのか
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実際に後悔する家と、満足度の高い家の違い~3階建て編~
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共働き世帯がラクになる動線の考え方
を、実例・数字・日常のたとえ話を交えながら解説します。
なぜ3階建ては「住みにくそう」と思われてしまうのか
建売住宅がつくった“イメージの固定化”
大阪で見かける3階建て住宅の多くは建売です。
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1階:駐車場+個室
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2階:LDK
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3階:寝室
この構成自体が悪いわけではありません。
問題は、この形しか知らないことです。
たとえるなら、
「以前にレンタルした旅行先の軽自動車。狭くて疲れた…」
→その時に レンタカーした車を乗った印象だけで判断している
そんな状態に近い。
注文住宅でつくられた3階建てを体感する機会があったお方からの感想の声からは、
「同じ3階建てなのに、全然違うんだ…」
という声も、本当に多いものです。

3階建ての“しんどさ”は、階数ではなく「家事の分断」
ここは何度でも強調したいポイントがあります。
3階建てが大変になる最大の原因は、
家事が縦に分断されること。
縦に分断されて、典型的な家事が洗濯です。
よくある失敗パターン(実際の相談例)
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洗濯機:1階
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物干し:3階
- たたむ:2階
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収納:1階、2階、3階
この4つの動きを、毎日の生活に置き換えるとどうなるか。
●朝、洗濯機を回す
●朝、階段を3階まで上がって干す
●夜、また階段を使っておりて、たたんで、そこから上がったり、下がったりして収納する
こんな感じで1日2回、3回以上の階段での運動。
しかも共働きで夜、お仕事で疲れている状態で。
「3階建てが大変」というより、
この縦の動線が大変なのです。

家事動線の基本原則|“階数”より“完結性”
私が設計で必ず確認するのは、
洗濯動線については、次の一点です。
洗う・干す・たたむ・しまう
これが、何階で、どう完結するように行うか。
ワンフロア完結型がもたらす効果
例えば、2階に
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洗面脱衣
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室内干し
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ファミリークローゼット
をまとめた場合。
洗濯という行為は、
階段を使わずに完結します。
これは、2階建て・3階建て関係なく、
家事負担を大きく下げる考え方です。
数字で見る「家事負担」の現実
ここで、少しデータの話をします。
総務省「社会生活基本調査(2021)」によると、
共働き世帯の家事時間は
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平日:約1.5〜2時間
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休日:約3時間以上
このうち、洗濯・片付けが占める家事時間割合は約30%。
つまり、
洗濯動線を改善するだけで、1日20〜30分は短縮できる。
これを1年にすると、
100時間以上の差になります。
3階建てだから大変なのではなく、
動線設計を間違えると、時間を失うのです。
洗濯動線の考え方は、2階建てでも、また平面の平屋での平行移動も、同じことが言えます。

実例①|八尾市・敷地25坪・共働き夫婦
条件
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敷地:約25坪
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車1台
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木造3階建て
採用した考え方
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2階にLDK+水回り集約
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室内干し+収納を隣接
奥様からの言葉が印象的でした。
「正直、3階建てなので、それなりに覚悟はしてました。でも、
前の2階建ての賃貸より、家事はラクです」
これは特別なケースではありません。
「階段が多くて疲れる家」になる原因

階段そのものが問題なのではありません。
疲れる家の共通点
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階段ホールが広い
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廊下が多い
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行き止まりが多い
これは、
面積効率が悪い家の特徴でもあります。
改善策|リビングイン階段+断熱強化
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階段=廊下にしない
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空間を一体化する
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断熱性能を上げて寒さを防ぐ
この組み合わせで、
移動のストレスも、温熱の不満も減らせます。
ここで重要なポイントは、温熱設計がセットです。
例え話|3階建ては「縦長のマンション」
3階建て住宅は、
よくマンションにたとえると分かりやすい。
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同じフロアに生活機能が集まっている
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上下移動はエレベーター(=階段)
マンションが住みにくいと感じる人は、
多くありません。
3階建ても同じで、
生活機能をどう配置するかがすべてです。
将来を見据えた階段計画という視点
「老後はどうなるのか」
これは必ず出る質問です。
3階建てでは、
将来1階完結が難しい場合も正直あります。
だからこそ、
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直線階段
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上下に乗り降りスペース確保
を行い、
将来的に簡易昇降機(クマリフト等)が設置できる余地
を残す設計が重要になります。
高齢者の住宅内事故
厚生労働省「人口動態統計」によると、
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高齢者の事故死の約7割が住宅内
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その多くが階段・段差
発生件数は、交通事故の約3.8倍もというお話も聞きます。
だからこそ、
「階段をなくす」ではなく、
安全に使える階段をつくるという発想が大切です。
まとめ|3階建ては“理解して選べば”後悔しにくい
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3階建て=住みにくい
ではありません -
動線を理解せずにつくると住みにくい
のです。
大阪の便利な立地で、
土地を有効に使い、
暮らしの時間を守る。
3階建ては、
妥協ではなく、合理的な賢い選択になり得るのです。
図面を見ながら、具体的に整理できます
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この間取り、家事はラク?
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階段は将来大丈夫?
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建売3階建てを検討している
そんな段階でも構いません。
「3階建てを前提に、どう暮らすか」
一緒に整理しましょう。
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安本昌巨 ブログ用プロフィール
株式会社シーキューブ代表取締役。二級建築士。
住宅業界歴28年以上。
大手ハウスメーカーの下請け工事店として現場経験を積み、新築・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、
これまで累計700棟以上のご家族様の住まいづくりに関わってきました。
大阪を中心に、狭小地や都市部住宅など条件の難しい住まいにも数多く向き合う中、
「どんな家を建てるか以上に、誰に相談するかが、暮らしの満足度を左右する」
ということを実感しています。
著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』(刊・エルハウス)では、
住まいを通じた家族の関係性について発信。
また、79.2MHz FMやお『OH家エーあなたのおうちの相談室』では、メインコメンテーターとして、
専門的な住宅の話をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。
小学生のころまで、冬になると一度外へ出なければ入れなかった祖父の家の寒いお風呂。
そして大学生のとき、神戸で阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの家を何軒も見て回ったこと。
これらの体験から、
「家は性能以上に、日常と命を守る場所だ」
と確信するようになりました。
家を単なる「性能商品」としてではなく、
「住み心地そのものを性能として考える」
そんな住まいの相談相手として、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです。
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