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令和8年度版 低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置(100万円控除)の延長について~建築士の目線より~

中古住宅がいいのかな?新築住宅がいいのかな?


「家を買う」と考えた瞬間、

損をしたくない。

きっとお得なはず…

でも…なぜ人はスマホを閉じて、ため息をつくのか。

家を買おうと思った夜。
検索窓に「新築 中古 どっち」と打ち込んで、
気づけば30分。

専門用語が多すぎて、
グラフは難しくて、
最後はそっとスマホを伏せる。

――そして、こう思うのです。

「今日は、もういいか」

実はこれ、
住宅購入を考え始めた方の“あるある”です。

私は建築士として、
これまで数えきれないほどのご相談を受けてきましたが、
家づくりで一番最初につまずくのは、知識でもお金でもなく、「情報の多さ」だと感じています。

住宅ローン控除

令和8年度税制改正

このあたりまでの言葉を聞いた瞬間に、
またスマホを伏せたくなった方もいるかもしれません。

今日は、
そのスマホをもう一度、気楽に開いてもらうための話です。


「中古住宅」と聞いたとき、心に浮かぶ“本音”

少し、正直な話をします。

多くの方が「中古住宅」と聞いた瞬間、
頭の中でこんな言葉が浮かびます。

  • できれば新築がいい

  • 中古って、なんとなく不安

  • 後悔しないかな

この感情は、間違っていません。
むしろ、とても健全です。

たとえるなら、

旅行の予約サイトで
「格安プラン」を見つけたときの気持ち

ちょっと魅力的だけど、
「本当に大丈夫かな?」と一瞬立ち止まる。

中古住宅を検討の選択肢にいれての家づくりも、
まさにその立ち位置にあります。


ひとつ、整理してみましょう

ここで、いったん深呼吸してみてください。

中古住宅が不安なのは、
「中古だから」ではありません。

多くの場合、不安の正体は実は。この3つです。

  • 中身が見えない

  • 何を直せばいいかわからない

  • 判断基準を持っていない

これは、
家に限らず、人が大きな決断をするときに必ず起こる感情です。

だから私は、
「大丈夫です!不安を消します!」とまでもは思っていません。

ただ不安は、整理すれば小さくなる。

なにが不安かわかるようになれば対処できることもでてくる。そのお手伝いをするのが、私たち専門家の役割だと考えています。


家は、年数より「使い方」で価値が決まる

ここで、少したとえ話を。

同じ築20年でも、

  • 何も手を入れていない家

  • 必要なところを整えてきた家

では、住み心地はまったく違います。

これは、人に置き換えるとわかりやすいかもしれません。

同じ年齢でも、
体を動かしている人と、そうでない人では、
元気さが違う。

そう家も同じなのです。

中古住宅は「古い家」ではなく、
「これまでどう使われてきたか」と「これからどう使うか」で決まる家選びとなるのです。


なぜ今、「中古住宅」が見直されているのか

ここから、少しだけ社会情勢の話をします。

総務省の住宅・土地統計調査によると、
日本の空き家は約900万戸。年々増え続けています。

これは、

  • 住める家が

  • 誰にも使われないまま

  • そこにある

という状態です。

国も、この状況を重く見ています。

だから住宅政策は、
「たくさん建てる」から
「今ある家を、どう使い継ぐか」へと軸を移しています。


令和8年度税制改正を、やさしく言うと

ここで、今回の税制改正の話です。

専門的に説明すると難しくなりますが、
ですが意味はとてもシンプルです。

「使われていない家や土地を、
次の人に引き継ぎやすくするために、
税金の負担を少し軽くします」

具体的には、

  • 一定の条件を満たす中古住宅や土地を売った場合

  • 売却で出た利益から

  • 最大100万円分を、税金の計算から差し引ける

この制度の期限が、
令和10年12月31日まで延長されました。

これは、
中古住宅を“出しやすくする”ための制度です。


「売る人の話」で終わらない理由

ここで、よくある誤解があります。

「それって、売る人の話ですよね?」

実は、そうではありません。

売る人の負担が軽くなると、

  • 売りに出される中古住宅が増える

  • 選択肢が増える

  • 状態の良い家に出会いやすくなる

これは、
レストランのメニューが増えると、
「選ぶ楽しさ」が増えるのと同じです。

買う側にとっても、環境がよくなる改正なのです。


新築か、中古か。迷ったときの“判断軸”

建築士として、
はっきりお伝えしたいことがあります。

「新築か、中古か」
この二択で悩む必要はありません。

大切なのは、

  • どんな暮らしをしたいか

  • どこに住みたいか

  • 無理のないお金の使い方か

この3つです。

新築には、新築の良さがあります。
中古住宅には、中古住宅の良さがあります。

令和8年度税制改正は、
中古住宅を選んでも、不利になりにくい社会に近づいている
そのサインだと私は受け取っています。


建築士として、最後にお伝えしたいこと

家づくりは、
「正解を当てる作業」ではありません。

納得できる理由を、
ひとつずつ積み重ねていく作業です。

  • 不安を感じたら、止まっていい

  • わからなければ、聞いていい

  • 迷ったら、整理すればいい

それを一緒に行うのが、
私たち専門家の役割です。

もしこの記事を読んで、

「少し、頭が整理された」
「誰かに相談してみようかな」

そう感じていただけたなら、
それだけで、この文章を書いた意味があります。


まとめ|令和8年度税制改正が教えてくれること

今回の税制改正は、
中古住宅を「妥協」から「選択肢」へ引き上げる、
静かな後押しです。

新築か、中古か。
ではなく、

自分たちの暮らしに合うかどうか

そこから考えていい時代になっています。


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安本昌巨 ブログ用プロフィール

株式会社シーキューブ代表取締役。二級建築士。
住宅業界歴28年以上。

大手ハウスメーカーの下請け工事店として現場経験を積み、新築・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、これまで累計700棟以上のご家族様の住まいづくりに関わってきました。

大阪を中心に、狭小地や都市部住宅など条件の難しい住まいにも数多く向き合う中、
「どんな家を建てるか以上に、誰に相談するかが、暮らしの満足度を左右する」
ということを実感しています。

著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』(刊・エルハウス)では、住まいを通じた家族の関係性について発信。
また、79.2MHz FMやお『OH家エーあなたのおうちの相談室』では、メインコメンテーターとして、専門的な住宅の話をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。

小学生のころまで、冬になると一度外へ出なければ入れなかった祖父の家の寒いお風呂。
そして大学生のとき、神戸で阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの家を何軒も見て回ったこと。

これらの体験から、
「家は性能以上に、日常と命を守る場所だ」
と確信するようになりました。

家を単なる「性能商品」としてではなく、
「住み心地そのものを性能として考える」
そんな住まいの相談相手として、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです

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