令和8年度版 住宅ローン控除のお話
家は高い
だったら「住宅ローン控除」賢く活用しよう!
でも…
この言葉を聞いた瞬間、
なぜ人は急にんー…て難しい顔になるのか。
住宅展示場を見学して、
間取りを見て、
「いいですね」と笑っていたはずなのに。
最後に住宅営業マンさんがこう言った瞬間、
空気が少し変わるときもあります。
「住宅ローン控除の説明をしますね」
急にペンを持つ手が止まり、
資料を見る目が真剣になり、
心の中でこう思う。
「出たな。むずかしいけどしっかりと聞かないと…」
実はこれ、
住宅購入を考え始めた方のほぼ全員が通る道です。
私は建築士として、
数多くの住宅相談を受けてきましたが、
住宅ローン控除は、たしかに
「大切なのに、わかった気になりにくい制度」だとも思います。
今日は、この住宅ローン控除を
この令和8年に家を持とうとお考えのお方にむけて、
できるだけやさしく、わかりやすく、でも現実的に、整理します。
住宅ローン控除とは、そもそも何なのか
住宅ローン控除とは、
「家を買うために借りたお金があるなら、
その分、税金を少し軽くしますよ」
という制度です。
もう少し噛み砕くと、
-
住宅ローンを組んで家を買う
-
年末時点で、まだローンが残っている
-
その残高に応じて
-
毎年、税金が戻ってくる(または少なくなる)
という仕組みです。
たとえ話をすると、
毎月ジムに通っている人に
「健康のためだから、少しジムへ通う費用を補助しますよ」
と言ってくれる制度
そんなイメージに近いかもしれません。
「控除」と聞くと難しく感じる理由
多くの方が、住宅ローン控除を難しく感じる理由は明確です。
-
計算式がよくわからない
-
条件が多い
-
自分が対象かどうか判断できない
つまり、
「自分ごととしてイメージできない」
これが一番の原因です。
だからここからは、
細かい数字よりも、考え方をお伝えします。
住宅ローン控除の基本的な考え方
住宅ローン控除は、ざっくり言うと、
-
ローン残高 × 一定の割合
-
それを毎年、税金から差し引く
という仕組みです。
現在の制度では、
-
控除率:原則 0.7%
-
控除期間:原則 13年間
となっています(住宅の性能などにより異なります)。
たとえば、
-
年末のローン残高が3,000万円
-
控除率0.7%
だとすると、
その年は
約21万円分、税金が軽くなる
というイメージです。
※実際には、所得税・住民税の上限などがあり、
全額が必ず戻るわけではありません。
ここで、多くの人が感じるモヤモヤ
この説明を聞いたあと、
多くの方が心の中でこう思います。
-
思ったより複雑
-
結局、得なの?
-
あてにしていいの?
この感情、とても自然です。
私はお客様の実際にリアルな
この場面を何度も見てきました。
人は「先の話」より、「今の安心」を求めます。
だから、
「将来、戻ってきますよ」
という説明だけでは、
不安が消えないのです。
住宅ローン控除は「ボーナス」ではない
ここで、ひとつ大切な考え方をお伝えします。
住宅ローン控除は、
もらえる前提で
無理をしてはいけない制度
です。
よくあるのが、
-
控除があるから大丈夫
-
その分をあてにしてローンを組む
という考え方。
これは、
毎年の昇給を前提に家計を組むのと似ています。
あれば助かる。
でも、なくても困らない。
この距離感が、とても大切です。
なぜ国は、住宅ローン控除を続けているのか
ここで、少し俯瞰した話をします。
住宅ローン控除は、
-
住宅取得を後押しする
-
住まいへの投資を促す
-
経済を安定させる
という目的で続けられてきました。
近年は特に、
-
省エネ住宅
-
性能の高い住宅
を優遇する方向へと制度が調整されています。
これは、
「長く、安心して住める家を増やしたい」
という国の意図でもあります。
出典
・国土交通省「住宅ローン減税制度の概要」
・国税庁「住宅借入金等特別控除」
新築でも、中古でも、住宅ローン控除は関係ある?使えるの?
結論から言うと、
どちらにも関係があり、使えます。
ただし、
-
新築か
-
中古か
-
住宅の性能はどうか
によって、
-
控除の上限
-
適用条件
が変わります。
ここが一番ややこしいポイントですが、
同時に、専門家が整理すべきポイントでもあります。
一般の方が、
すべてを一人で理解する必要はありません。
建築士として伝えたい、住宅ローン控除との向き合い方
住宅ローン控除は、
-
得するための制度
ではなく -
安心して家を持つための補助輪
だと、私は考えています。
自転車に乗るとき、
最初は補助輪があると安心ですよね。
でも、
補助輪があるからといって、
無理なスピードは出しません。
家づくりも、同じです。
最後に|「控除があるから」ではなく「納得できるから」
住宅ローン控除は、
確かに大切な制度です。
でも、
-
控除があるから買う
-
控除がなくなるからやめる
という判断は、
本来の順番ではありません。
大切なのは、
その家で、
どんな毎日を過ごしたいか。
その上で、
使える制度を、
無理なく使う。
それが、後悔しない住宅購入につながります。
建築士・安本昌巨としてのひとこと
家づくりは、
制度を使いこなす競争ではありません。
「理解して、納得して、選ぶ」
そのプロセスが、何より大切です。
住宅ローン控除についても、
難しい言葉を並べる前に、
一緒に整理することを大事にしています。
もしこの記事を読んで、
「少し、霧が晴れた」
「ちゃんと相談しながら決めたい」
そう感じていただけたなら、
それが一番のゴールです。
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安本昌巨 ブログ用プロフィール
株式会社シーキューブ代表取締役。二級建築士。
住宅業界歴28年以上。
大手ハウスメーカーの下請け工事店として現場経験を積み、新築・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、これまで累計700棟以上のご家族様の住まいづくりに関わってきました。
大阪を中心に、狭小地や都市部住宅など条件の難しい住まいにも数多く向き合う中、
「どんな家を建てるか以上に、誰に相談するかが、暮らしの満足度を左右する」
ということを実感しています。
著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』(刊・エルハウス)では、住まいを通じた家族の関係性について発信。
また、79.2MHz FMやお『OH家エーあなたのおうちの相談室』では、メインコメンテーターとして、専門的な住宅の話をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。
小学生のころまで、冬になると一度外へ出なければ入れなかった祖父の家の寒いお風呂。
そして大学生のとき、神戸で阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの家を何軒も見て回ったこと。
これらの体験から、
「家は性能以上に、日常と命を守る場所だ」
と確信するようになりました。
家を単なる「性能商品」としてではなく、
「住み心地そのものを性能として考える」
そんな住まいの相談相手として、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです
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