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大阪の狭小住宅で後悔しない予算配分|どこにお金をかけ、どこを抑えるべきか

 

大阪の狭小住宅で後悔しない予算配分

お金のかけ方・抜き方の判断基準

家づくりの打合せって、不思議と最後に甘いものが食べたくなります。
ショールームを何件も回って、「どれも素敵ですね」と言いながら現実の予算に戻るあの瞬間。

全部いい。でも全部は無理。

ここから先は、センスよりも整理の力が効いてきます。

特に大阪市内や八尾・東大阪などの都市部で狭小住宅を検討している場合、予算配分の難しさは少しだけ増します。
理由はシンプルです。家が小さくなっても、減らない費用があるからです。

今回は、狭小住宅で起きやすい予算のズレを防ぐために、「どこにお金をかけるか」「どこは調整できるか」を整理します。

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狭小住宅の予算で、最初に知っておきたい前提

まず大切なのは、見た目より先に決まる費用があるということです。

大阪の都市部では、敷地が20坪前後というケースも多く、2階建てでは収まらず3階建てになることもあります。
そうなると、耐震性の検討、構造計算、階段計画、法規制への対応など、意匠の前に“骨格側の費用”が決まりやすい傾向があります。

ここは「削るかどうか」を相談しにくい領域です。

つまり、キッチンや床材の話に入る前に、ある程度の土台コストが固定化される。
この順番を知らないまま理想を積み上げると、後半で急な調整が必要になります。

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ケーキの値段が違う理由

同じ大きさのケーキでも、値段が違うことがあります。
見た目が豪華だから高い、と思いがちですが、それだけではありません。

スポンジの質
クリームの配合
崩れない構造
持ち運びで形が保たれる工夫

見えない部分の手間が違うことがあります。

家づくりも似ています。
壁紙やキッチンの色の前に、構造・断熱・窓の計画・配線計画といった“土台の精度”が暮らしの満足度を左右します。

特に狭小住宅は空間がコンパクトな分、少しの差が体感に直結します。

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判断基準を明文化する

後から変えられるか、変えにくいか

狭小住宅の予算配分で迷ったら、次の問いで整理します。

・完成後にやり直せるか
・やり直す場合、費用と手間はどのくらいか

金額の大小ではなく、「やり直し難易度」で判断することがポイントです。

後から変えにくい部分を守る。
これが予算配分の軸になります。

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比較で整理する:優先度が上がりやすい部分

後から変えにくい領域

・構造の考え方(耐震性を含む)
・断熱と気密の方向性
・窓の位置と大きさ
・照明の配線計画とスイッチ配置

照明器具は交換できますが、配線計画は簡単にやり直せません。
狭小住宅では光の当たり方が広さ感や落ち着きに直結するため、器具の価格よりも計画の精度が重要になります。

比較的調整しやすい領域

・設備のグレード
・扉や面材の仕様
・造作家具の量
・外壁を全面高級仕様にするかどうか

外観も、全面を高価な材料にするより、玄関周りなど視線が集まる部分に集中させる方が、満足度と予算のバランスが取りやすいことがあります。

料理でいえば、全部を豪華にするより、器や盛り付けで印象を整える感覚に近いかもしれません。

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見落とされがちなポイント:照明は器具よりも計画

完成後によく聞く声があります。

思ったより暗い
明るいけど落ち着かない
スイッチの位置が地味に不便

照明は価格よりも、配置・回路・操作性が満足度を左右します。
狭小住宅は天井高や壁面の制約があるため、光が回りにくい場所が生まれやすい。

照明は最後に選ぶものではなく、間取りと同時に計画する方が失敗は減ります。
ここはカタログでは目立ちませんが、実務では差が出やすい領域です。

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断熱は“初期費用”だけで判断しない

断熱性能をどこまで上げるかは、予算配分で悩みやすいテーマです。

環境省の統計では、1世帯あたりの年間エネルギー支払金額はおよそ20万円前後という整理があります。
もちろん家族構成や住まい方で変わりますが、一定の目安になります。

仮に年間3万円の差が出ると、35年で約100万円。
5万円差なら約175万円。

住まいは買って終わりではありません。
狭小住宅では、初期費用とランニングコストを同じ地図で考える視点が有効です。

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大阪の都市部で起きやすい予算ズレ

よくあるのは次の3つです。

・土地が小さいから建物も安くなると思っていた
・3階建て前提が抜けていた
・外観や設備を積み上げた後に構造や断熱の話が出てきた

予算が厳しくなったとき、削りやすいのは見える仕様です。
でも削ってはいけないのは、後から変えにくい部分。

打合せの順番として、先に守る所を決める。
その後で楽しむ所を決める。

この順番が、後悔を減らします。

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まとめ

予算配分に絶対的な正解はありません。
ただし、狭小住宅では順番を間違えると修正が難しい部分があります。

・後から変えにくい領域を守る
・設備や仕上げは部分集中で整える
・光と素材で体験をつくる
・初期費用とランニングコストを一緒に見る

もし今、迷いが強いなら、希望を増やす前に「守る部分」と「調整できる部分」を仕分けしてみてください。
それだけで、家づくりの不安は少し軽くなります。

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整理ポイント

狭小住宅では面積に比例して減らない費用があるため、予算配分の順番が重要です。

後から変えにくい構造・断熱・窓計画・照明配線は優先度が上がりやすくなります。

設備や仕上げは部分集中で満足度を作りやすい。

断熱は初期費用だけでなく長期の光熱費を含めて比較すると判断しやすい。

大阪の都市部では3階建て前提のコスト構造を見落とさないことが大切です。

 

設計相談とは、敷居が高いわけではありません。

暮らし方、気になるコストをお気軽に、ご相談、お声かけくださればです。

 

 

 

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安本昌巨 ブログ用プロフィール

株式会社シーキューブ代表取締役。二級建築士。
住宅業界歴28年以上。

大手ハウスメーカーの下請け工事店として現場経験を積み、新築・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、これまで累計700棟以上のご家族様の住まいづくりに関わってきました。

大阪を中心に、狭小地や都市部住宅など条件の難しい住まいにも数多く向き合う中、
「どんな家を建てるか以上に、誰に相談するかが、暮らしの満足度を左右する」
ということを実感しています。

著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』(刊・エルハウス)では、住まいを通じた家族の関係性について発信。
また、79.2MHz FMやお『OH家エーあなたのおうちの相談室』では、メインコメンテーターとして、専門的な住宅の話をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。

小学生のころまで、冬になると一度外へ出なければ入れなかった祖父の家の寒いお風呂。
そして大学生のとき、神戸で阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの家を何軒も見て回ったこと。

これらの体験から、
「家は性能以上に、日常と命を守る場所だ」
と確信するようになりました。

家を単なる「性能商品」としてではなく、
「住み心地そのものを性能として考える」
そんな住まいの相談相手として、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです

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