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狭小地でも「広く感じる家」は本当にできる?

大阪で考える狭小住宅の間取りと設計の本質

大阪で家づくりの相談を受けていると、必ず出てくる言葉があります。
「うちの土地、ちょっと狭いんです…大丈夫でしょうか。」

そのとき、私はいつもこうお伝えします。
「大丈夫です。建てることはできるでしょう。

ただ、物理的に広くすることには大きさの制限があり、できることは広く感じる暮らし方の方のご提案になります」

狭小住宅 大阪というキーワードで検索される方の多くは、
狭い=我慢の家になるのでは…
家族が窮屈に感じないか不安…

そんな気持ちを抱えています。

でも実は、狭小住宅が問題なのではありません。
問題になりやすいのは、「数字だけで広さを判断してしまうこと」です。

今日は、狭小住宅 間取りと狭小住宅 設計を考えるうえで、
面積ではなく“体感”をどう整えるか。
その判断基準を、大阪という条件を前提に整理していきます。


狭小住宅は「面積」より「体感設計」で決まる

まず結論からお伝えします。

狭小住宅で広く感じる家ができるかどうかは、
延床面積ではなく、体感設計の精度で決まります。

同じ25坪でも、
「思ったより広いですね」と言われる家と、
「なんだか窮屈ですね」と感じられる家があります。

なぜ差が出るのか。

国土交通省の住生活総合調査によると、
住まいの満足度を左右する要素は、
日当たり、収納、間取りの使いやすさが上位に挙がっています。
延床面積そのものは、最上位ではありません。

つまり、
“広い家”が満足度を決めるのではなく、
“考えられた家”が満足度を高めているということです。

ここが、最初の大きな誤解です。


専門家が最初に見るのは「床に何が出るか」

狭小住宅 設計の打ち合わせで、
一般の方があまり意識されないポイントがあります。

それは「床に何が置かれるか」です。

間取り図を見ているとき、多くの方は
部屋の広さや帖数を見ます。

しかし実際の暮らしでは、
・掃除機
・ゴミ箱
・ランドセル
・買い物カゴ
・室内干しスタンド

こういったものが“床に出るかどうか”で、体感は大きく変わります。

同じ面積でも、床に物が出る家は一気に狭く感じます。
逆に、床に物が出ない設計をしている家は、

数字以上に広く感じます。

 

これは図面上では読み取りにくい部分です。
消費者の方が見落としやすい、設計の盲点でもあります。

狭小住宅 20坪や狭小住宅 25坪では、
この“床の整理前提設計”が特に重要になります。


「視線の抜け」が体感を決める

次に重要なのが、視線の抜けです。

玄関に立った瞬間、
目の前が壁で止まるのか、
奥の窓まで視線が抜けるのか。

これだけで、体感は大きく変わります。

大阪の狭小住宅では、隣家との距離が近く、
横方向の窓が取りにくいケースが多いです。

そのため、
視線をどう抜くかは、設計段階で意識しなければ実現しません。

例えば、
階段上部を吹き抜けにする。
2階LDKから3階へ視線が抜ける構成にする。
窓の位置を縦方向で連続させる。

これらは単なるデザインではありません。
心理的な広がりをつくる装置です。

満員電車がしんどいのは、
空間が止まり、視線も止まるからです。

一方、席数が多くなくても、
天井が高く窓が大きいカフェは、
なぜかゆったり感じます。

広さは数字ではなく、
“視線の動き”で感じているからです。


天井は「全部高くする」より「差をつくる」

狭小住宅でよくあるご要望が、
「天井を高くしたい」です。

もちろん高さは有効です。
しかし、全部を高くする必要はありません。

むしろ、
一部だけを高くする方が効果的な場合が多いです。

例えば、
リビングの一部だけ天井を上げる。
階段上を吹き抜けにする。
ダイニング上に段差を設ける。

空間に“差”が生まれると、
低い部分があるからこそ高い部分が際立ちます。

これは住宅会社のカタログではあまり語られない視点です。
しかし、狭小住宅 設計ではとても重要です。

すべてを広げるのではなく、
メリハリで広さを感じさせる。

これが、面積を増やさず体感を変える方法です。


狭小住宅 大阪で特に注意すべき前提条件

大阪市内や八尾、東大阪市内では、
土地価格が高く、間口が狭いケースが多いです。

さらに、
隣家との距離が近い
道路斜線や北側斜線の影響を受ける
容積率を最大活用したい

といった条件が重なります。

この環境では、
横方向に広げる発想ではなく、
縦方向と光の取り方が鍵になります。

3階建ては妥協ではありません。
都市型住宅の合理的な解答です。

狭小住宅 間取りを考えるときは、
「広くする」ではなく、
「条件をどう活かすか」という視点に変えることが大切です。



後悔しやすいのは“広くしようとした設計”

実は、後悔の多くは
「狭かった」ではなく
「整理しないまま足した」ことから生まれます。

部屋数を増やす。
廊下を長くする。
収納を分散させる。

その結果、LDKが分断され、
視線が止まり、
床に物があふれることになった家。

狭小住宅で大切なのは、
広くすることではなく、
狭く感じさせないことです。

そのための基本は次の4つです。

床に物を出さない前提設計
視線が奥まで抜ける構成
天井のメリハリ
廊下の最小化ではなく最適化

これらが整うと、
20坪でも25坪でも、
体感は大きく変わります。


設計とは「問いを整えること」です。

家づくりで一番強い不安は、
「足りなかったらどうしよう」です。

でも実際の後悔は、
「何を優先するかを決めなかったこと」から生まれます。

部屋数を優先するのか。
家族の距離を優先するのか。
収納量を優先するのか。
光を優先するのか。

狭小住宅は、
制限があるからこそ、優先順位がはっきりします。

設計とは、
面積を増やすことではなく(物理的な制限以上はできないので)
優先順位を整理する作業です。

狭小住宅 を大阪で考えて迷っている方ほど、
まずは「何を一番大切にしたいのか」を
言葉にしてみてください。

面積の不安は、
整理された優先順位の中で、
自然と形を変えていきます。

広さは数字で決まりません。
体感は設計で変えられます。

狭小住宅は我慢の家ではありません。
考え方で心地よさが決まる家です。

もし今、
狭小地で不安を感じているなら、

角地緩和 防火建築、天空率など

物理的なカードを使いきって面積を最大限にしたあとには、

“狭くしない設計”という視点で、一度整理してみてください。

そこから、本当の間取りづくりが始まります。

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安本昌巨 プロフィール

株式会社シーキューブ代表取締役。二級建築士。
住宅業界歴28年以上。

大手ハウスメーカーの下請け工事店として現場経験を積み、新築・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、これまで累計700棟以上のご家族様の住まいづくりに関わってきました。

大阪を中心に、狭小地や都市部住宅など条件の難しい住まいにも数多く向き合う中、
「どんな家を建てるか以上に、誰に相談するかが、暮らしの満足度を左右する」
ということを実感しています。

著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』(刊・エルハウス)では、住まいを通じた家族の関係性について発信。
また、79.2MHz FMやお『OH家エーあなたのおうちの相談室』では、メインコメンテーターとして、専門的な住宅の話をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。

小学生のころまで、冬になると一度外へ出なければ入れなかった祖父の家の寒いお風呂。
そして大学生のとき、神戸で阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの家を何軒も見て回ったこと。

これらの体験から、
「家は性能以上に、日常と命を守る場所だ」
と確信するようになりました。

家を単なる「性能商品」としてではなく、
「住み心地そのものを性能として考える」
そんな住まいの相談相手として、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです

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