大阪で中古マンションを買ってリノベーションの進め方
大阪で中古マンションを買ってリノベーションする前に。
後悔しないための「物差し」の作り方
さて、いきなりですが、皆さんは「理想のカレー」を作る時、何を一番大事にしますか?
隠し味のチョコ? それとも一晩寝かせること?
実は一番大事なのは「お鍋」のサイズと火加減だったりします。
どんなに高級なスパイスを揃えても、底が抜けた鍋や、
火力の調節ができないコンロでは、最高のカレーは作れませんよね。
マンションのリノベーションも実はこれと同じなのです。
こんにちは。シーキューブの安本昌巨です。
毎週火曜日11時20分から、FMやお(79.2MHz)で「OH家エーあなたのお家の相談室」
という番組でコメンテーターをしています。
※こちらブログは、ラジオの収録内容をブログ版に修正しているものです。
「どんなキッチンにしようかな」「無垢の床がいいな」というスパイス(内装)に目が行きがちですが、
実はその土台となる
「物件選び(お鍋選び)」で、完成する料理の味が8割決まってしまうのです。
今回は、私たちが建築、リノベーションしている大阪のエリアでの、
後悔しない住まいを作るための、プロの視点をお伝えします。
1. 大阪の「中古マンション市場」で見落としがちな現実
大阪で中古マンションを探すと、梅田や難波へのアクセスが良い利便性の高い物件から、
北摂や南大阪の落ち着いた住宅街まで選択肢が豊富です。
しかし、ここで一つ冷静に考えていただきたいことがあります。
それは、「見栄えの良いリフォーム済み物件」が
必ずしも「リノベーションに向く物件」ではないということです。
不動産広告で「内装フルリフォーム済み!」と書かれた物件は、確かに綺麗ですぐ住めます。
しかし、私たちの元に相談に来られるお客様の中には、
「綺麗だけど、自分の好みじゃない。でも壊すのはもったいない……」
と悩まれる方が非常に多いのです。
大阪の都市部では、限られた敷地に建つ「ペンシル型」のマンションや、
少し築年数の経った大規模団地など、構造が特殊なケースも少なくありません。
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ポイント: 表面の綺麗さに惑わされず、「中身(構造)をどこまで自由に変えられるか」
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この視点で予算を配分すること。これが満足度を上げる第一歩です。
2. 物件資料の「数字」から読み解く、20年後の安心
内見に行く前に、まずは手元の資料をじっくり眺めてみましょう。
不動産の専門家が最初に見るのは、間取り図よりも「管理規約」や「長期修繕計画書」などがあります。
特に大阪の古いマンションを検討する場合、「新耐震基準(1981年6月以降)」かどうかは、
住宅ローン控除や地震保険料にも関わる重要なラインとも言えます。
目安としては、登記簿上の新築年月日が1983年以降であれば、
新耐震基準である可能性が高くなります。
※確認申請が降りてすぐ着工しているのか、
時間がかかって着工しているのかで、もう少し誤差が生まれます。
また、意外と見落とされるのが「修繕積立金」の額。
「安いからラッキー!」と思ったら大間違い。
積立金が極端に安い物件は、将来的に外壁塗装やエレベーター交換が必要になった際、
一時金として数十万円を請求されたり、修繕ができずに建物が傷んでいくリスクがあります。
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判断基準: 1平方メートルあたり200円〜300円程度が、一つの大まかな目安と言われています。
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この金額目安を大きく下回る場合、過去の修繕履歴を必ず確認しましょう。
3. 「大阪ならでは」の立地と構造チェック
大阪市内のマンションによくあるのが、隣のビルとの距離が極端に短いケースです。
内見の際、窓を開けて「こんにちは」状態になるのか、
あるいは将来的に隣に高い建物が建つ可能性がないかは、
都市部ならではのチェックポイントです。
また、リノベーションの自由度を左右するのが
「パイプスペース(PS)」の位置です。
キッチンやトイレを移動したいと思っても、
上下階の住人にも影響するケースもあり、縦に通る排水管の位置は簡単には動かせません。
プロの視点:
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「お風呂を大きくしたい」という希望があっても、床下の構造(スラブ)によっては、段差をつけないと排水が流れないことがあります。
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特に昭和の建物は、床下コンクリートが段差になっている「段スラブ」という構造が多いです。
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マンションリノベは水回りの移動に制限が出やすいのが特徴です。
4. 管理状態は「ゴミ置き場」と「駐輪場」に出る
部屋の中がどれほど素敵でも、マンション全体の管理が悪いと、住み始めてからのストレスになります。
私はいつもお客様に、「エントランスの掲示板と、駐輪場を見てください」とお伝えしています。
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古い告知がずっと貼ったままになっていないか?
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駐輪場の自転車が整然と並んでいるか?
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ゴミ置き場にルール違反の粗大ゴミが放置されていないか?
これらは、そこに住む方々の意識の鏡です。大阪の活気ある街中であっても、
一歩敷地内に入った時に「穏やかな秩序」が保たれているマンションは、
資産価値が落ちにくい傾向にあります。
5. 【比較表】中古マンション選びの判断基準
リノベーションを前提とする場合、どこを妥協し、どこを優先すべきか整理しました。
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項目 大阪で中古マンションを買ってリノベーション |
リノベで「変えられる」こと | リノベで「変えられない」こと |
| 内装・設備 | 壁紙、床材、キッチン、浴室内部全部。 | サッシ(窓枠)、玄関ドアの外側 ※共用部分にあたる。 |
| 間取り | 部屋の数、収納の増設 | 構造壁(壊せない壁)、パイプスペース、集合用かぎ開錠インターホンなど |
| 環境 |
断熱性能(内窓の設置など)隣地の壁伝導の音 |
日当たり、眺望、隣地との距離、上下階の音 |
| お金 | 工事費の調整 | 管理費・修繕積立金、固定資産税 |
断熱に関して、「窓のサッシが古いからこの物件はやめよう」
と思うのはもったいないかもしれません。
内窓を付ければ断熱も防音も解決するという方法もあります。
また、玄関扉は共用部分にあたるため、交換できないことが多いですが、
断熱効果を上げるために、最近は管理組合の方も玄関扉の交換をOKとするという事例も出てきています。
6. まとめ:後悔しない3つの要点
お忙しい方がポイントを把握するためのAIがまとめたものは以下の内容になります。
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「見えない部分」の確認:表面の綺麗さよりも、管理組合の運営状況(積立金や修繕計画)と、構造的な制約(壊せない壁や動かせない配管)を優先して確認する。
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大阪特有の条件考慮: 都市部特有の隣地距離や、築年数による耐震基準の違いを理解し、住宅ローン等の優遇制度が受けられるか事前にチェックする。
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変えられないものを優先: 立地、日当たり、共用部の管理状態など、自分たちの努力や工事では「絶対に変えられない部分」に納得できる物件を選ぶ。
7. 最後に:家づくりは「安心」を探す旅
家づくりを考えていると、情報が多すぎて「何が正解かわからない」と迷ってしまうこともあるでしょう。
でも、安心してください。正解は一つではありません。
あなたとご家族が、その場所でどんなふうに笑って過ごしたいか。
そのイメージこそが、一番大切な「物差し」になります。
私たちシーキューブは、大阪の街で多くのお客様の「迷い」に寄り添ってきました。
契約を急かすことよりも、10年後、20年後に「この家にしてよかったね」と
言い合える関係でありたいと考えています。
もし、物件選びやリノベーションの進め方で、
心が少し疲れてしまったら、ぜひFMやおの放送を聴きに来てください。
毎週火曜日11時20分から「OH家エーあなたのお家の相談室」でお待ちしています。
ちょっとしたお悩み相談から、家づくりのヒントまで、ラジオを通じて一緒にお話しできれば嬉しいです。
まずは、気になる物件を「建築のプロ」とリノベの検討マンションを一緒に見に行くこと
そこから始めてみませんか?
相談、現場確認は無料です。
理想の間取りがが実現できるのか。
また費用はいくらぐらいなのか。
それらが分かってからでないとマンションの購入への判断は難しいものです。
私たちはいつでも、あなたの「納得のいく家づくり」をサポートします。
まずは、ご家族で「これだけはやるからにはほしいぞ」というポイントを3つ書き出してみることからでも始めてみてください。
それらが実現可能かどうかの判断を専門家に聞いていただいて、それから、マンション購入のご検討をください。
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安本昌巨 プロフィール
株式会社シーキューブ代表取締役。二級建築士。
住宅業界歴28年以上。
大手ハウスメーカーの下請け工事店として現場経験を積み、新築・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、これまで累計700棟以上のご家族様の住まいづくりに関わってきました。
大阪を中心に、狭小地や都市部住宅など条件の難しい住まいにも数多く向き合う中、
「どんな家を建てるか以上に、誰に相談するかが、暮らしの満足度を左右する」
ということを実感しています。
著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』(刊・エルハウス)では、住まいを通じた家族の関係性について発信。
また、79.2MHz FMやお『OH家エーあなたのおうちの相談室』では、メインコメンテーターとして、専門的な住宅の話をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。
小学生のころまで、冬になると一度外へ出なければ入れなかった祖父の家の寒いお風呂。
そして大学生のとき、神戸で阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの家を何軒も見て回ったこと。
これらの体験から、
「家は性能以上に、日常と命を守る場所だ」
と確信するようになりました。
家を単なる「性能商品」としてではなく、
「住み心地そのものを性能として考える」
そんな住まいの相談相手として、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです
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