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大阪で建てる 狭小住宅で耐震等級3は取れる?

大阪で建てる 狭小住宅で耐震等級3は取れる?

阪神・淡路大震災を見た建築士として、大阪で家を建てる方に伝えたいこと

朝5時46分。突然、身体が浮くような衝撃。
阪神・淡路大震災のあの日、私は大学が神戸であったため、

多くの友人がその街に住んでいました。

数日後、ブルーシートを車に積み込み、友人の家を数軒、回りました。

屋根が崩れ、壁が割れ、家の中がむき出しになっている。

いつも笑っていた友人が、家の前で立ち尽くしている。

私の親は当時、ハウスメーカーの下請け工事店として働いており、

その後は怒涛のように神戸の現場へ向かう日々でした。

「建物が倒れなければ、家族は助かる。」
現場で聞いたその言葉、今でも胸に残っています。

だから私は、地震に対しては人一倍、強くつくらなければいけないと考えています。

今日は「狭小住宅 大阪」で家づくりを考えている方へ、構造の本質を整理します。


結論:狭小住宅でも耐震等級3は可能

ただし“中身”は重要

まず整理します。

・狭小住宅でも耐震等級3は取得可能
・しかし計算の方法と精度が重要
・木造か鉄骨造かより「長期許容応力度計算」が分かれ目
・耐震だけでなく、制震・免震など揺れを吸収する視点も不可欠

ここが、専門家としてお伝えしたい核心です。


耐震等級3とは何か 数字の裏側

どこの住宅会社、ハウスメーカーも当たり前に

耐震等級3は、建築基準法の1.5倍の耐震性能
消防署や警察署と同レベルの基準です。

しかし問題は、「どうやって等級3を出しているか」

 

一般的な壁量計算は、壁の枚数で強さを判断します。
一方、長期許容応力度計算は、

柱や梁一本一本にどれだけの力がかかるかを数値で検証します。

これは例えるなら、

・シートベルトが“付いている”車
・衝突実験までして“安全性を確認している”車

の違いぐらい大きいと私は考えます。

見た目は同じでも、安心の質が違うということです。

特に狭小住宅 大阪では、3階建てや1階ガレージ付きの住宅が多い。

壁が少なくなりがちです。
だからこそ、部材ごとの力の流れまで

確認する長期許容応力度計算が重要になります。


木造か鉄骨造かよりも大切なこと

「鉄骨の方が強いですよね?」と聞かれることがあります。

しかし実際は、

・設計
・接合部
・力の分散
・計算精度

これで強さは決まります。

木造でも、長期許容応力度計算を行い、接合部を強化し、バランスよく設計すれば十分に強い。
鉄骨でも、設計が甘ければ弱くなります。

素材ではなく、設計思想が強さを決めるのです。


耐震だけで足りるのか?

繰り返す揺れという現実

阪神・淡路大震災では、本震後も大きな余震が続きました。
熊本地震でも同様です。

一度目でダメージを受け、二度目で崩れる。
熊本地震では耐震等級2の家が持つべきなのに崩れた。

これが実際に起きました。

だからこそ、

・耐震=踏ん張る
・制震=揺れの力を吸収する
・免震=揺れを伝えにくくする

この組み合わせが重要です。

例えば、強いパンチを受けるとき、身体を固めるだけでは危険です。

膝を曲げて衝撃を逃がす。
制震は、その“膝の役割”をします。

狭小住宅は縦に高くなりやすい。
揺れ幅が大きくなりやすい構造です。
だからこそ制震の視点は見落とせません。


大阪の狭小住宅で起きた構造の盲点

2018年の大阪北部地震では、

比較的新しい住宅でも内装ひび割れやガレージ部分の歪みが見られました。

特に、

・1階が大きく開いたビルトインガレージ
・壁配置の偏り
・上階に荷重が集中

こうした住宅では「ねじれ」が問題になります。

外観は無傷でも、内部の接合部がダメージを受ける。
これが構造の盲点です。

多くの方は「等級3ですか?」と聞きます。
しかし本当に大切なのは、

・どんな計算をしたか
・繰り返す揺れを想定したか
・バランスは取れているか

ここです。


実例:間口3.2m、3階建ての家

実際の事例です。

・間口3.2m
・1階ビルトインガレージ
・2階18帖LDK
・3階居室

通常なら柱が必要です。

しかし、

・門型フレームで横方向を強化
・長期許容応力度計算で部材検証
・制震ダンパー設置

これにより耐震等級3を取得しました。

夜中に地震速報が鳴る。
子どもが「大丈夫?」と聞く。

そのとき、「たぶん」ではなく

「計算しているから大丈夫」と言える設計かどうか。
ここが違いです。


家づくりで確認してほしいこと

狭小住宅 大阪で検討するなら、次を整理してください。

1 長期許容応力度計算をしているか
2 等級3の証明書が出るか
3 制震や免震の検討があるか
4 ガレージ付きでも等級3可能か

この質問に具体的に答えられるかどうかが、

一つの目安になります。


専門家として

阪神・淡路大震災で、私は崩れた家の前に立ちました。
ブルーシートをかけながら、「家が残っていれば…」と何度も思いました。

家は資産ではなく、家族の命を守る器です。
間取りは後から直せる可能性があります。
構造は直せません。

世代を超えて家族を守るため。
時代を超えて価値を持つ家にするために。

狭小住宅だからこそ、設計の深さが問われます。

不安をあおるためではありません。
後悔を減らすためです。

毎週火曜日11時20分からFMやお79.2MHz「OH家エーあなたのお家の相談室」でも、

こうしたテーマでお話ししています。

 

大阪で狭小住宅を考えるなら、

まず“見えない骨組み”から一緒に整理してみてください。


このコラムの要約

・狭小住宅でも耐震等級3は取得可能
・木造か鉄骨造かより長期許容応力度計算が重要
・耐震だけでなく制震・免震など揺れ吸収も検討すべき
・大阪の狭小3階建てでは構造バランスの盲点がある
・確認すべきは計算方法、証明書、繰り返す揺れへの備え


よくある質問(FAQ)

Q1. 狭小住宅でも本当に耐震等級3は取れますか?

はい、取得は可能です。ただし敷地条件や間取りによって難易度は変わります。

特に大阪の都市部で多い「間口3m台」「3階建て」「1階ガレージ付き」の住宅では、

壁量計算だけでなく長期許容応力度計算まで行うことが重要です。

単に「等級3」と表示されているだけでなく、その計算方法を確認することが安心につながります。


Q2. 木造と鉄骨造、どちらが地震に強いですか?

構造種別だけでは判断できません。木造でも鉄骨造でも、

設計と計算の精度によって強さは決まります。

特に重要なのは、部材一本一本の力を検証する長期許容応力度計算を行っているかどうかです。

素材よりも「どう設計しているか」が本質です。


Q3. 耐震等級3があれば制震や免震は不要ですか?

必ずしもそうとは言えません。

耐震は「倒れないため」の設計ですが、地震は一度きりではなく繰り返し発生することがあります。

制震や免震は揺れのエネルギーを吸収・軽減する仕組みです。

特に3階建ての狭小住宅では、揺れ幅が大きくなりやすいため、検討する価値があります。


Q4. 狭小住宅で地震対策を考えるとき、最初に何を確認すべきですか?

以下の点を整理することをおすすめします。

・長期許容応力度計算を実施しているか
・耐震等級3の証明書が発行されるか
・1階ガレージでも等級3が可能か
・制震や免震の検討があるか
・構造バランス(偏心率・直下率)を説明できるか

この質問に具体的に答えられるかどうかが、一つの判断材料になります。


Q5. 狭小住宅はやはり地震に弱いのでしょうか?

「弱い」というより、「設計の難易度が高い」というのが正確です。

土地条件が厳しい分、構造の検討がより重要になります。

適切な設計と計算を行えば、十分な耐震性能を確保することは可能です。


最後に

阪神・淡路大震災で目にした光景は、今も私の設計思想の原点です。
家は見た目以上に、見えない部分で価値が決まります。

間取りの前に、構造。
デザインの前に、命を守る設計。

大阪で狭小住宅を検討している方へ。
焦らなくて大丈夫です。
まずは、「どう計算しているか」を一緒に整理することから始めてみてください。

後悔を減らすために、
一つずつ、確かな判断材料を持って家づくりを進めていきましょう。

※毎週火曜日11時20分からFMやお79.2MHz「OH家エーあなたのお家の相談室」

収録分のコラムに編集しなおしたものです。

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安本昌巨 ブログ用プロフィール

株式会社シーキューブ代表取締役。二級建築士。
住宅業界歴28年以上。

大手ハウスメーカーの下請け工事店として現場経験を積み、新築・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、これまで累計700棟以上のご家族様の住まいづくりに関わってきました。

大阪を中心に、狭小地や都市部住宅など条件の難しい住まいにも数多く向き合う中、
「どんな家を建てるか以上に、誰に相談するかが、暮らしの満足度を左右する」
ということを実感しています。

著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』(刊・エルハウス)では、住まいを通じた家族の関係性について発信。
また、79.2MHz FMやお『OH家エーあなたのおうちの相談室』では、メインコメンテーターとして、専門的な住宅の話をできるだけ分かりやすく伝えることを大切にしています。

小学生のころまで、冬になると一度外へ出なければ入れなかった祖父の家の寒いお風呂。
そして大学生のとき、神戸で阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの家を何軒も見て回ったこと。

これらの体験から、
「家は性能以上に、日常と命を守る場所だ」
と確信するようになりました。

家を単なる「性能商品」としてではなく、
「住み心地そのものを性能として考える」
そんな住まいの相談相手として、気軽に声をかけていただけたら嬉しいです

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