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狭小住宅のメリットとデメリット。後悔しないポイントとは

まえがき

大阪に住む。便利なところに住む。
そんな都心部では「狭小住宅」を検討される方は多く、物件探しをしていると人気の市街地や駅近の不動産は高く、なかなか手が出ません。

それでもも狭めの土地に新築を建てるメリットやデメリットとは何でしょう?
もう一度、新築、家を持つ、広い土地、田舎ではないのではなく、狭小地に建てる理由とは何でしょうか?
そんなメリット、デメリット、そしてそのポイントをまとめていきます。

「土地の予算を考えると三階建てを考えよう」
「小さい土地であれば縦に空間をいかそう」

土地の利便性、大好きなこの土地へ、でも経済的な制約ももちろんあることでしょう。

自然と選択するのが三階建ての狭小住宅になる人も多いかと思います。

狭小住宅は文字通りコンパクトなので、デザイン性や強度面を両立した品質の高い住宅を提案するハウスメーカーは郊外の大きな家が多く、狭小住宅は、この地域で長く続いている工務店・設計事務所が地元、この大阪では多い印象です。

三階建ての狭小住宅を実際に購入し、その甲斐があったと思う人、その反対に後悔している人はどんなケースなのでしょうか?
メリットデメリット、ポイント等を見ていきましょう。

このコラムを監修した会社
大阪八尾市にある、ご家族様と一緒に家族の絆をつくる設計事務所&工務店です。

2021年、8年連続 八尾エリアで木造注文住宅No.1
大阪エリア一度は相談しておきたい住宅会社 第一位
大阪の注文住宅 住み心地満足度 第一位

昭和46年創業で、地域の皆様と真摯に向き合い家づくりをさせて頂いて、実績を作ってきた会社になります。

狭小住宅の定義

「狭小住宅」は、一般的に50㎡以下(15坪以下)の土地に建築された注文住宅を指します。
3~4人のファミリー層に適した空間と設備機器を備えている建物が多い印象です。
狭小住宅は、土地が狭いために暮らしに必要な床面積を確保するために、間口が狭く奥行きが長い家の多くが3階建てです。

狭小住宅の間取りパターン

1階 駐車スペースから玄関 浴室 洗面 トイレなどの水廻り
2階 キッチン リビング ダイニング 主にLDK
3階 主寝室 子供部屋 ウォーキングクロゼット
といった間取り構成が多く採用されています。

狭小住宅の結論

狭小住宅を考える際の結論

狭小住宅の間取りパターン

■夫婦間の将来の家族計画
■老後に階段の多い生活

この2点をしっかり計画的にどう考えておくかです。
まず利便性と予算から、土地価格主に建築費用の全体を把握し、その地域で子育てから二人が高齢になった時にどう生きて行くか? 家族で意見を出し合いじっくり検討する時間も、後悔しないためにはとても大切です。

狭小住宅のメリット

見晴らし

近所は二階建てが多く、3階からの見晴らしが良いです。
夜空がとても綺麗に見えます。

駅近や利便性の高い住みたいと思える立地でも安価に買える

狭い土地を有効活用するため、土地の購入価格を抑えられるのが三階建て狭小住宅のメリットです。駅や繁華街などの生活利便性の良い人気の土地は地価が高いです。


土地坪単価70万円
30坪の土地で二階建て 土地30坪×坪単価70万円=2,100万円
18坪の土地で三階建て 土地17坪×坪単価70万円=1,190万円

土地だけで1,000万近くも差が出ます。
そして上記の価格にプラス建物費用と付帯工事と諸費用がかかります。
三階建ての方が建築費用が高いとは言えます。
しかし、総額で見れば土地が圧倒的に安く、かなりの差額となります。
人気のある立地に総額を抑えて安く住みたい人は、三階建ての狭小住宅が1つの選択肢ではないでしょうか。

維持費や税金が安い

狭小住宅で建物面積が小さいと、修繕箇所が減るために維持費が安くなります。
土地面積、建物面積ともに小さいので、主に固定資産税・都市計画税が安くなります。

家の掃除が楽。動線が楽。

そもそも建坪が大きいと部屋が広く、掃除する面積や箇所も増えます。
必要なものは必要以上に持たない。
動線が長くないので、生活の歩く時間が、短縮されます。
わかりやすい例では、洗濯をする場合。
洗濯機に入れる
洗濯物を干す
洗濯物をたたむ
洗濯物をしまう
これだけでも、家が大きいと、あっちへ、こっちへと、歩く時間が、生活時間の多くになってくることになります。

また、家の中以外、土地が狭い分、庭がないので雑草や外の片付けに悩まされず済む部分もあります。

家事が大変な奥様には、掃除の手間を短縮できる時間的なメリットは大きくあります。

狭小住宅のデメリット

荷物

大きい荷物や重たい荷物を3階まで持って上がるのは正直大変です。
引っ越し時は業者さんがいるとはいえ、かなり疲れます。

階段

実際に生活するようになると、上下移動は当たり前なんですが階段の上り下りは大変です。
例えば洗濯なのですが、濡れた重い洗濯物を1階から3階まで持って上がるのは大変です。
歳を取り高齢になった時に階段移動が足腰にこたえ、億劫になることあります。

収納

どうしても狭小住宅だと、各部屋が小さくなり収納が少ないので、収納はできるだけ増やした方が良いでしょう。

金額が通常価格より高くなる

普通の土地の2階建てと比べ、建築費や諸経費高くなる可能性があります。
建築資材などの搬入時が難しい場合があることと、人件費や駐車場代や車両費などが通常よりプラスされるため建築費は高くなる場合があります。
敷地が狭いので、大型トラックがつけれず、軽トラックで搬入となったり、建築資材を運ぶ回数が増えます。スペースがないために人力で担ぎ上げたりといった状況も多くなるためです。
工事現場に駐車場や資材置き場がないなどの原因もあります。

隣家と距離が近い

狭小住宅は、小さな土地が密集した地域に建てることが多いので、お隣の住宅とどうしても距離が近くなります。
これから新築予定で、すでに隣に家が建っている場合は、窓の位置などに配慮が必要になります。

外壁や窓のメンテナンスが困難

狭小住宅の修繕工事
特に土地の境界の隣家との間隔が狭く、十分な工事ができません。
人ひとり入る間隔があれば、1階部分の外壁や窓はメンテナンスができます。
狭小住宅の場合の現実は、足場が立つ余裕もないことが多く、三階建ての2階3階部分は諦めるしかない場合もあります。
将来に渡り、外壁と窓のメンテナンスが行うことができないのは、建物にとって不都合ではあります。外壁や窓枠の劣化部分からコーキングひび割れなどで、雨漏りが起こるかもしれません。狭小住宅を検討する際は、隣家との間隔に注意しましょう。
将来ちゃんとメンテナンスや修繕工事ができるか、事前の確認をしましょう。

生活動線が悪い

狭小住宅によくある2階LDKの三階建ての場合。
3階の部屋には、2階のLDKを横断しないと上がれない間取りが殆どです。
子供の友達が遊びに来る度に、リビングダイニングを通っていくことを想像してみましょう。
もし抵抗があると感じた方がいれば、三階建て狭小住宅を買うと後悔する可能性があります。

収納スペースが少ない

土地が狭いと建物も空間も小さくなります。
部屋の大きさが優先されることから、クローゼットや物入れが少なくなり傾向にあります。
階段下はもちろん、活用できるスペースに収納を作ることを心掛けましょう。
狭小住宅の場合は、部屋の広さを多少犠牲にしても、収納を設ける工夫は必要です。

1階の日当たりが特に悪い

周りが土地ギリギリまで隣家に囲まれることが多い狭小住宅は、部屋の採光不足になることがあります。
広い家なら、例えば2階の吹き抜けから玄関へ光を取り込めますが、狭小住宅ではそもそも吹き抜けが面積が限られるために難しいのです。
狭小住宅では2階と3階も例外ではありませんので、道路側からの大きな開口を取るなどの工夫はしなければなりません。
サイド側は隣家の高さなどによって、各部屋にある一部の窓からの日当たりが期待できないからです。周囲の建物の状況や、日当たりの期待できる窓がどちらの方角にあるかなどをしっかり確認します。

地震の横揺れに弱い可能性がある

狭小地になると間口が狭く奥行きが長い間取り、つまり狭小住宅は「細長い構造」になるため、耐震性能については充分に確認しておきたい所です。

断熱性をチェックする 冷暖房効率が悪い

狭小住宅では、でくるだけ広く空間を使うため開放感のある空間にし、間仕切りを減らすケースがあります。
その場合、断熱性能が劣ると空調の効率が悪くなり、一定の温度を維持できなくなる可能性があります。
断熱性能が劣る場合は、部屋の面積が広いので、空調機は常にフル出力となり、冷暖房費も高くなります。このことからもしっかり断熱に取り組んでいる会社かを確認しましょう。

狭小住宅のポイント

立地

狭小住宅は都市部で建築されるケースが多いので、立地条件の利便性にメリットを感じている方が新築を建ててらっしゃいます。通勤・通学、買い物など、交通インフラが整っている都心部では、日々の移動に自動車を使わないこともあるため、自動車を一台のみという選択肢もできます。自動車を2台目を所有せず、ガソリン代や自動車保険、各種税金、駐車場代がかからない等のメリットが人気の理由ともいえます。

土地価格

土地代が近隣の相場より割安な傾向がある。そのため都心部などで新築一戸建ても狭小住宅ならば夢ではありません。
狭小地は、建築するのに制約も多いため、土地の坪単価そのものが安くなっている場合も多いです。

税金

面積に応じて決定される「固定資産税」が安く抑えられることがあります。
狭小住宅では、中2階などのスキップフロアは床面積に算入されないため、固定資産税の対象になりません。スキップフロアを有効活用してみてはいかがでしょう。

デザイン性

デザイン性の高い住宅となることが多いです。
限られた室内のスペースに様々な要素を取り入れるため、空間の使い方ひとつにしてもお施主様の要望を元にした個性的な空間となる場合が多いようです。狭小住宅での空間づかいは非常に重要といえます。

耐震性

通常の1・2階建て住宅より狭小3階建ては地震に強いといえます。
狭小住宅は、ほとんどが3階建てになります。3階建ての住宅は通常の2階建ての住宅と比べると地震や津波に強いことが国土交通省の調査により判明しています。
(構造計算で十分な耐震性を証明しないと、行政から建築確認申請許可が下りません)

制約の条件

3階建て以上の木造住宅は建築する時には、制約が多いため注意が必要です。
3階建てで建築される場合、防火地域ではそもそも3階建て以上の木造住宅は建てることができません。さらに準防火地域では準耐火建築物とする必要があるのです。
主要構造部のすべてが45分間の過熱に耐えられる構造にしなければなりません。
住宅地における建物の斜線制限などで、屋根を急勾配にするよう求められます。
狭小住宅は、狭い土地ならではの制約が多いことも、しっかり把握しておきましょう。

メンテナンス

新築から10~15年程度での外壁メンテナンスが必要になった場合、隣家との間が狭すぎて工事の足場が組めないなどの問題が起こることがあります。民法上、敷地境界線から50㎝以上離れたところに建てる必要があります。新築から数十年経った住まいのメンテナンスは、定期的に必要です。

窓と開口部 プライバシー

狭小住宅では特に道路側や日射が入る部分に開口部を大きく設け採光を確保します。
狭小住宅は住宅が密集地している地域に建てることが多いため、十分な採光を取ることが重要になります。大きな開口部は、明るい室内を実現するはポイントになります。

視線が建物の長手方向に抜けるように、窓の位置にも配慮することで解放感が生まれます。

隣家の狭くなる方の両サイドの窓は、新築を計画する時に間取りの窓の位置を、周囲に既存の建物がすでにある場合は、窓をズラすか天井近くに付けるハイサイドライトをつけることで、窓の位置にはプライバシーへの配慮も必要です。

狭小住宅では面積の関係もあり難しいですが、開口部として有効的なのは吹き抜けになります。
さらに屋根から天窓をつけると、部屋全体へ光が届くようになります。
さらに、取り込んだ光を部屋全体へ届けるために2階と3階の階段をシースルーにするとさらに効果的です。

視覚的な問題が起こるケースもあります。
狭小住宅は隣家との距離が近いので、窓の位置によってお互いの生活が丸見えになることもあります。プライバシーに関わる問題は、事前の現場調査をしっかりおこなうことで、ある程度防ぐことはできます。間取り窓も含めて、隣の家の配置も考慮して計画しましょう。

家具を置くスペースが無い 断捨離

狭小住宅では、そもそもが面積が狭いので、家具を置くスペースありません。
工夫したとしても、狭小住宅の面積の狭さはどうしようもありませんので、無理に家具を置くよりも、本当に必要なものしか持たない「ミニマリスト的」な考え方が必要かもしれません。
実際身の回りの物を確認してみましょう。「1年以上まったく使ってないもの」がたくさんあると思います。ムダなものは、建築施工期間内に思い切って捨ててしまいましょう。

★断捨離を効率よく進める4つのコツ
・エリアを分け、よく使う場所から着手する…
・残すものの量、数を決める…
・ものを必要・不要・保留の3つに分類する…
・思い出の詰まったものは最後にする

部屋が暗い

狭小住宅では、意識して採光計画を立てるようにしましょう。
そうしないと、暗い部屋になってしまう可能性があります。
どうしても狭い空間は、うす暗く感じてしまうものなので、敷地に対してギリギリに建築している場合は、隣家に遮られて余計に採光が困難になります。
その場合は、窓の数を増やす・窓を大きくする・インテリアを明るい色にするなど工夫が必要になります。

室外機が置けない

狭小住宅は隣地との距離が狭く、しっかり計画しておかないとエアコンの室外機が置けないということにもなりかねません。
お隣の境にうまく設置できたとしても、室外機の排気がお隣に迷惑を掛けないか気になるかもしれません。
また、ご自身のエアコンも、廃棄熱を吸い込んで、エアコン本来の効率が発揮できないことも考えられます。
その場合は、隣家に影響のない少し離れた場所に室外機を設置するしかありません。メーカーの機種にもよりますが10〜20mくらいなら室外機の位置をずらすことは可能ではあります。
設置箇所に電源の用意をしておくのを忘れずにお願いします。

あとがき

さて狭小住宅の解説いかがでしたでしょうか?
満足のいく狭小住宅を建てるには、実際に家を建てる工務店・設計事務所を真剣に選ぶことが最も重要になります。選ぶ際の簡単なポイントとしては、その会社の実績をしっかり確認することです。今までに多数の狭小住宅を建てた実績の多い会社でなれば、安心できるのではないでしょうか? 狭小住宅は素人では分からない現場での予想外な出来事も起こります。その際に、冷静に対応してくれる実績ある会社に依頼することで、スムーズに計画が進むことは間違いないでしょう。
大阪では利便性の高い小さな土地の有効活用が今後も増加していくと思われます。

ご相談は狭小住宅の実績の多いシーキューブへ是非お問い合わせください。

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