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狭小地の後悔しないポイント~間取り編~

■狭小住宅の間取りのポイント

「土地を探しているけど、なかなか理想の大きさのものが出てこない…」「狭小住宅も検討に入れてみようかな?」

土地探しは、家づくりにおいてひとつの大きな決断です。

だからこそ、妥協したくないと思われる方もたくさんいらっしゃるかと思います。

ですが、理想の土地なんて早々出てこないもの。ましてや大阪は住宅密集地が溢れています。

広くて明るい家」にしたいときに、狭小地でなんとか快適にならないのか、と思われるお方も多いのではないでしょうか?

 

狭小住宅の明確な定義はないのですが、一般的には土地の大きさが15坪50㎡以下の土地に建つ住宅のことを指します。

狭いと聞くとデメリットに捉えられがちなのですが、移動が少なかったりとか家族の雰囲気が感じられるとか実は工夫次第で住み心地の良いお家になります

結論、狭小地でも工夫次第で「開放感のある明るいお家」は十分に建てられます。

 

本コラムでは、狭小地における間取りや住宅設備選びのポイントをお話します。

土地探しで難航している方はぜひ最後までお付き合いください。

 

■窓位置と大きさ

 

窓がなかったり小さかったりするとやはり圧迫感を感じてしまうと思うのですが、

実は大きすぎても良くないということがあります。

 

一般的に良く思われるのが LDK に掃き出し窓をつけるご家庭が多いかと思います。

※掃き出し窓…人が出入りできる、床まである引き違いの窓のこと

 

掃き出し窓をつけることで視線が抜けて開放感が生まれます。 

ですがここで注意しないといけないのが窓の位置になります。 人通りの多い道路に面して大きな窓をつけた時に外からの視線が気になるほか、方角によっては日差しが強すぎてカーテンを閉めっぱなしということもよくあります。 

せっかく大きな窓をつけたのにもったいないですよね。

 

なのでそんなことにならないためにも窓の計画はすごく大切です。 

具体的に言いますと例えば人の目線よりも高い位置につける高窓というのがおすすめです。

 目線よりも高いところにあるので外からの目線が気にならない上に日差しをしっかりとキャッチして抜けるような印象を与えてくれます。 

高窓といっても天井付けの横に長い窓にすることによって、より空間により奥行きがあるように感じるのでさほど圧迫感は感じません。

 

狭小地でよくあるのが住宅がたくさん集まっている所、いわゆる住宅密集地になりますので、

人の目線よりも高くすることで外からの目線が気にならないというところが一つ良い所になります。

高窓の逆で地窓を取り入れてみるのもいいかもしれません。

地窓というのは地面や床に低い位置に設ける窓のことを言います。

 

地窓を設けることで足元からスッと抜けるような印象になります。

高窓とは違って地面に近い光を取り入れているので、柔らかな光が差し込むのもいいですね。

 

ちなみに…地窓と無垢の床を組み合わせると足元がポカポカします。

余談にはなりますが、地窓は床があったかいので猫ちゃんがいる家庭に大人気です。

日向ぼっこもできるので特等席になるのは間違いないと思います。

 

家が暖かいということは光熱費を抑えられるということもあります。

暖かい空気は上に行くので、下に暖かい空気を回すために暖房をつけすぎてしまうということもよくあることです。

 地窓にすることで太陽の光で暖かくすることもできます。

狭小地とは言いますが、思い切って吹き抜けをつけてみるのもいいかもしれません。

そうすることで開放感が生まれますし、吹き抜け部分に天窓をつけた時に隣地との距離が近くて視線を気にすることなく日差しを確保することもできます。

 

窓の位置や大きさを工夫してあげることでうまく快適な空間を生み出すことができるということです。

視覚効果で実際に広く見えることも大事です。街の中心地になってくると土地が限られてきますので、そこをうまく工夫するためにも窓ということに着目してみてくださいね。

 

■扉の種類

 

皆さんは部屋を区切るのに何を使うでしょうか?扉ですよね!

玄関から LDK に入るにも扉、洗面脱衣室や浴室に入るのにも扉、どこに入るにしても扉を使うと思います。

 

数年前の日本は部屋数が重視されていて細かく分かれた間取りが主流でした。

 

 ですが今のライフスタイルに求められているものは家族が集まったりとかリラックスして開放感に浸れる空間だったりします。特にコロナ禍でそういうことが重要視されてるような気がします。

 

家族の時間が増えたりとか逆に個々の時間を大切にしたりとか、ライフスタイルが変わってきたことにより、リラックス感が重要だったりします。 

ですが狭小住宅でリラックス感とか開放感を求める時にいくつも扉があったり個室が多すぎたりすると、なかなかくつろげなかったり、閉塞感が生まれてしまう可能性があります。

 なので扉は最小限にしておく事をお勧め致します。

 

 具体的には書斎を作る時に完全に個室にせずに間仕切りなので空間を仕切る。

リビングに繋がる階段に扉をつけずにリビングイン階段にするなどがあります。

扉を減らすことで、いつでも家族の声が聞こえたり気配を感じることができるのもいいと思います。

特に書斎はお父さんの憧れみたいなものが昔からありますが、コロナ禍になったことでオンライン化が進んで在宅ワークが増えたと思います。

ですのでどうしても必要になってきたというご家庭もたくさんいらっしゃると思います。

 

間仕切りなどでちょっとした在宅ワークのスペースを取れるのはとても良いと思います。

いつでも家族の雰囲気が感じられたり、解放感が生まれるというのも仕事のストレスが軽減されるかもしれません。

どうしてもしっかりとした部屋にしてしまうと、その分スペースも多く使ってしまいます。その中で狭小地ではやはり難しくなってきます。

 

以前シーキューブで施工をさせていただいたお客様の家で、トイレや浴室以外の扉がひとつしかないと言う新築を建設しました。

 

扉がないということは、ものすごく開放的になるということです。

そうなってくると冬場の空調関連が気になってくるところではありますが、その辺りの問題というのは、部屋が広ければ広いほど電気代がかかったりとかエアコンを常に稼働させなければならないとか、そういうこともあります。

そこは住宅会社さんとしっかり話をされて相談をしながら、ここに扉をつける・つけないというのを考えてみるのがよろしいかと思います。

 

新築の扉にも色々と種類があります

狭小地は一つ注目していただきたいのですが、扉は開き戸よりも引き戸の方が良いです。 やはり扉を引くことで効率的に使えるということです。

開き戸は、開け閉めする際に一歩下がる必要性があります。そのスペース分を家具が置けなかったり、空間を有効的に活用できなかったりもします。

それに比べて引き戸は壁やインテリアを考慮しなくてよいのでおすすめです。そして引き戸は自分が一歩動かなくてもよいというメリットがあります。

 

引き戸と言っても色々種類があるかと思います。

視覚的に空間をスッキリ見せるのにハイドアというものを使用するのもひとつおすすめです。ハイドアとは縦に長いドアの事を言います。天井まで高さがあるドアを指す場合が多いです。普通の扉の上には袖壁があるのですがその小さい壁が無く天井まで窓が突き抜けているものをハイドアと言います。

 

天井から下がっている壁がないので扉を開けた時にひとつの空間のように見えます。 閉めた時もすっきりとしているので狭小住宅におすすめの扉と言えます。

  

 

 

■壁について

狭小住宅で仕切りを多用するとより狭さが強調されてしまいます。

限られた空間だからこそ、家全体をひとつの空間としてとらえてプランを立てることをオススメします。

壁も扉と同様になるべく作らない方がいいと思います

 

壁がないと家にメリハリがないように感じられますが、そういう時は壁以外の方法で空間を仕切って見るのはいかがでしょうか?

例えば LDK でいうと、キッチンの天井を10cmほど下げてみると空間に奥行き感やメリハリが生まれてきます。リビングやダイニングからキッチンを見た時にまるで違うお部屋みたいに見えたり、キッチンやダイニングから見た時に視覚効果で広がっているように見えます。 

 

この下がり天井はとても人気があり、お家によって全く違った雰囲気になり、おしゃれにもなります。 

例えば下がっている天井部分のみ木目調の壁紙を貼ってナチュラルに仕上げたり、下がっている天井とキッチンの壁を同じ色の壁紙にして、まるで秘密基地みたいな空間にしたりなど様々な工夫ができます。

壁紙の色を変えることで随分と印象が変わるのです。

 

使用する照明を分けることで、違った空間に見えたり、壁が無くても空間が仕切られているような感じがします。

 

他には、、天井について今はお話ししたのですが、床に着目してみると立体的に活用できるスキップフロアの設置もおすすめです。

スキップフロアとは床の高さをずらすことにより出来たスペースのことを言います。

 1階・1.5階・2階という風に空間が仕切られます。上下階はゆるく階段で繋がっていますので奥行き感や立体感を演出できます。

 

そうすることで部屋として区切ることもできます。

またスキップフロアとはいかなくても、小上がりとしてスペースを作ってみるのもいいかもしれません。

例えば LDK の何畳分かを床から、30cmほど上げるということをすると立体感が生まれます。小上がりは用途もたくさんあり、例えば上がっている部分だけお子様の遊び場になったりとか、畳スペースにしたりすると赤ちゃんがお昼寝できる休憩できるスペースになります。

 

小上がりは少し上がっているので、もしかしたらソファーが要らなくなるかもしれません。腰をかける場所ができるので、ソファーのスペースが省略できます。

 

その中でもやはり仕切りが必要というお客様もいらっしゃると思いますが、そういった時には家具で仕切ってみるのもお勧めします。 

壁で仕切るよりも閉塞感が少なくなり、さほど狭さを感じなくなります。

 

収納やソファーを置いてあげると、空間を仕切ることもできますし、圧迫感や閉塞感を感じない空間にすることができます。

狭小地だからこそ、窓や壁仕切りを使って上手く開放感を作り上げながら良い空間作り、コロナ禍でも家族との時間を大切にしたいと思っているご家族様が増えています。

上手く活用してみてくださいね。

 

■収納の数と種類

 

大前提として狭小住宅は収納の数が限られてきます。

引っ越しをする前に荷物の整理をしておくことが大切です。

 

物を減らすということはもちろんですが、ご自身が何を持っているのかということを把握しておくことで良い収納計画ができます。 

とりあえず収納を作りたいということではなく、「これをしまいたいから、ここにこの大きさのものを作る」と考えながら収納計画をしましょう。

 

そうすることで無駄な空間ができづらかったり、思ったより収納が少なくて済むことがあります。

逆の発想であり収納を作ってから物をしまうのではなく、最初にしっかり計画を立てて収納を作るということが大切です。

 

無計画ですと逆に物が、どんどん増えるということになります。

実際に収納計画をしましょうということになった時に造作の収納にすることで一層無駄が減ります。

なかなか自分にピッタリと合う収納商品をネットを使って探すということと、家具屋さんに行くとしても自分の理想に近いものを探し出すのはなかなか難しいことだと思います。

 

どうしても既存の家具だと寸法が合わなかったり、少しだけ隙間が空いたりするとそこを掃除しなければならないという風になりがちです。そういう時は、造作収納を採用することをオススメします。

 

 

また、造作収納を作るときに扉があるものではなくオープンな造作収納を作ることをお勧めしています。

扉付きの収納を壁一面につけると、確かにたくさん収納はできるのですが収納の奥行きの分、壁が前に出てるような印象になり、その分どうしても圧迫感がうまれてきます。

またその扉を開き戸にすると、開け閉めするスペースまで確保する必要があります。 

なのでそれを解消するためにあえてオープンな収納をおすすめしております。

 

中が見える造作収納になるのでいつも整理整頓しなくてはならなくなり、部屋は綺麗になります。

例えばキッチンの背面や、土間収納などをオープンの収納にすることで圧迫感をぐっと減らすことができます。 

後はオープンな収納といっても、棚板を木材などのおしゃれな素材にすることで見せる収納としても楽しめます。 

 

とはいえオープンな収納にして見られたくないものもあったりすると思いますが、掃除用具だったり洗濯用具だったり、あまり見せたくないというものは扉付きの収納にします。

靴やアウトドア用品などは、オープンな収納に見せる収納としてしまっておくという分け方をするのも良いかと思います。

また造作収納を作る際の注意点として、収納の棚は奥行き浅くする方がいいかと思います。 一般的な収納は間口を広く奥行きを浅くというのが鉄則になります。

奥行きのある収納を作ると、物を入れてることすら忘れることもありますので収納計画は大変重要です。

 

なるべく間口が広く奥行きが狭い収納を作っておけば、省スペースで入っているものが一目でわかるので、どこに何が入っているのか一目で分かるので、時間の節約にも繋がります。

狭小住宅なので収納が限られるということですが、収納作りのルールが二つあります。

 

一つ目は収納の量と場所を決めておくことです。 お客様の家中のものを書き出していただいて、その量にあった収納の場所とかその量を考えて設計をします。 

狭小地なので小さな家に住むことになります。そのため収納できる量には限界があります。 

ですのでご自身にとって、いる物といらない物の基準をより明確にすると暮らしやすい家になっていきます。

 

そして二つ目のルールはものに合わせて面と奥行きを決めます。 ものと収納のサイズが一致していないと結局出し入れが面倒で十分に活かしきれていないことは結構よくあることです。

 

多くの人は面にこだわるのですが、意外に意識していないのが奥行きです。

例えば食器にあった奥行き、洋服にあった奥行き、寝具にあった奥行きと、それぞれ異なってきますので、あらかじめ収納するものを想定してから面と奥行きの立体のサイズをしっかり決めていく。使い勝手と省スペースを両立できる知恵に繋がっていきます。

 

キッチン用品、水まわり用品、食器や保存食品など収納の奥行きなどは15cmぐらいが適切と言われております。

後は洋服をしまう際は60cmぐらいが適切だと言われています。 

想像してみるとわかると思うのですが、ハンガーの長さがちょうど良い横幅かなと思うのですが、大体人の肩幅は60 cmぐらいという風に言われておりますので、それぐらいの奥行きにしておくことで無駄なスペースデッドスペースが減ります。

 

その他お布団だったりスーツケースでしたり衣装ケースなどは、奥行90cmから1メートルほどが良いと言われています 。

敷布団、掛け布団でしたら結構スペースが必要になってきますので、こちらは奥行きをかなり確保していただくのが良いと思います。

まず仕舞いたいものが何かということです。そこから収納をしっかり考える原点になります。

 

□まとめ

いかがでしたでしょうか?

狭小住宅を建てるにあたって、少しのポイントを抑えておくことで開放的なお家にすることが出来ます。

それだけでなく使い勝手を良くすることもできるんです。

「狭いからできない」ではなく「コンパクトだからこそ便利」なお家を建てられるのが、狭小地のメリットです。

ですが、土地によって工夫をうまく反映することが可能かどうか見分ける必要があります。

検討している土地に理想の住宅が建つのかを判断できるのは住宅会社ですので、ぜひお悩みと理想を話してみてくださいね。