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新築における重要な考え方「ライフサイクルコスト」

新築をお考えの方でライフサイクルコストという言葉はあまり聞いたことがない言葉だと思いますが知っていますか?
普段は耳にしないライフサイクルコスト。
実は皆さんの普段の生活に密接に関係があるのです。毎日のスーパーでのお買い物や洋服や車や電化製品などもそうです。
賢い人は「価格」よりもつねにライフサイクルコストを考えます。
さて、そのライフサイクルコストとは? 一体何でしょうか?

ライフサイクルコストとは?

ある商品に対して生涯に使うお金をライフサイクルコストと呼びます。
まずライフサイクルとは生物や「物」の一生の過程を、誕生から衰退への周期の事を言います。
ライフサイクルコストとは、ライフサイクルを通して必要なコストのことです。
つまり、ある「物」が作られて無くなるまでの、長い期間を通してかかる費用のことを言い、商品に対して生涯に使うお金をライフサイクルコストと呼びます。
新築住宅のライフサイクルコストという観点でいえば、生産から解体までの経済的負担であり、住宅を建設または購入し、その家に住み続けることによって生じる長い期間を通しての全ての総費用のことを言います。
新築は建てる時も建った後もとても大きな金額が必要になります。
住まいの引き渡しを受けてから掃除・お手入れ、壊れた箇所の修繕、定年後の大型リフォーム、設備機器のリニューアルなど、新築の住まいを手にしてからもずっと、貴重なお金を投資して、暮らしやすい住まいを維持し続けることになります。

人生の3大支出である住居費用は、その人のライフプランに大きく影響するため現在の家賃水準からなんとなく決めるのではなくライフサイクルコストの観点が不可欠になります。
収入予測に基づき将来の教育費や老後の生活費が不足しないよう生涯のお金の出入りをシミュレーションした上で決定します。
住居費用は大きく①土地建物の取得費・住宅ローン②光熱費③メンテナンス費用の三つに分けることができます。
たいていの人は①のイニシャルコストばかりに目が行きますが、住宅ローンでも長期固定金利や、安く安全な変動金利型もあるので、慎重な資金計画をしていれば住宅ローンは大きなリスク要因になりにくい費用と言えます。

資金計画として考える場合は、自分の一生の間にかかる住居費(住むことに必要な総費用)を「住まいのライフサイクルコスト」として深く考えると良いと思います。
ライフサイクルコストの中には、保険や修繕費用、光熱費など、住宅に関わる全ての費用を含み、合計したものとして考えるようにしましょう。
ライフサイクルコストという考え方を知り、これまでよりも幅広く将来を見据えた家づくりの判断ができるようになります。

ライフサイクルコストの考え方として、少しでも安く良質な住まいを手にすることは、非常に大切なことです。しかし、住まいは入居した後もずっとお金がかかることになります。
入居後の住まいにかける資金計画も、同じように大切なことだと認識しておきましょう。
そこで、ライフサイクルコストについて詳しく考えてみたいと思います。
※ライフサイクルコスト(Life cycle cost)は、その英語表記の頭文字をとって、LCC(エルシーシー)とも言われます。LCC住宅と検索すると色々な情報があることが分かります。

3つに大きく分けるライフサイクルコスト

住宅の場合のライフサイクルコストは、建設から解体に至るまでの総費用(生涯費用)のことを示します。
大きなローンを組む建築費(イニシャルコスト)を少しでも抑えたいというのは新築を建てられる施主様誰もが思うことです。
しかし、建築費のことだけを考えて住まいづくりを進めてしまうと住みはじめてから思った以上に光熱費(ランニングコスト)や修繕費(メンテナンスコスト)がかかってしまい結局は、トータルで見た場合はライフサイクルコストが高くついてしまった、ということになりかねません。

イニシャルコスト(建設費)

新築を建てる予定の方は、住宅を建設する際に建設費用(イニシャルコスト)が必要となります。新築はいずれも建設費が高額になるために建設当時は建設費のみに目が行きがちなりますが、家は建てた後もずっと住み続けるもので、耐久性に関わる構法や材料・部材の選定が大変重要であり,選択した仕様によっては住宅全体の耐久性にも影響を及ぼすことがあります。

ランニングコスト(生涯光熱費)

建物の断熱・気密の性能が低い場合は、エアコン等の電気料金(ランニングコスト)が増大することが考えられます。例えばローコストで全体的な資金が安く済んだとしても、その後35年〜50年に続く光熱費が高くついたとしたらどうでしょうか?
このように、建設費を低減させた影響でそのあとに余計にお金がかかる住宅になってしまっては本末転倒です。
従って、イニシャルコストだけではなく、ライフサイクルコストやライフプラン(人生設計)も十分考慮し、費用対効果(コストパフォーマンス)の高い高気密高断熱住宅を計画することが重要です。

メンテナンスコスト(修理・維持費)

長期にわたって発生するメンテナンス費も含めて新築を考えることが大切です。
長く安心・快適に住むには「建てる」だけでなく、その後の「暮らし」にかかり続ける費用も含めて考えると良いでしょう。
メンテナンス費用は35年間で検討します。住宅は、築年数を重ねるごとにメンテナンス費用がかかります。
一般的には、まず給湯器が壊れて交換ということになります。そして設備機器の交換等があり、ちょうど35年のローンを払い終えたあとくらいに大きなメンテナンス費用が発生したり大規模な大型リフォームをすることが多いのです。一般的に最初の建設費用にはその費用は含まれていません。定年退職や子供さんの結婚式などの時期と重なり、まとまった大きな出費は、家計に大きな打撃を与えることもあります。

ライフサイクルコストを考えた家づくり

イニシャルコスト

例えば、同じようなプラン・規模・立地の2つの住宅のいずれかを購入しようと考えている30歳で家を建てて85歳で亡くなる人がいるとしましょう。
普通の住宅は2000万円
ライフサイクルコストを考えた住宅は2300万円
両方の住宅に対し同じ価値を見出しイニシャルコスト的に言えば、「普通の住宅の方が300万円得である」と判断できます。

ランニングコスト

家を建てる費用より建ててからの費用が大きくなります。
住んでからのランニングコストが実は金額が圧倒的に大きく、住まいの性能によって数百万円の差がつきます。
人生で一番高い買い物は光熱費かもしれません。
三十歳で家を建てて85歳で亡くなると仮定しこの55年間で住まいにかかるお金を試算してみました。
建設費2000万円+住宅ローン金利550万円=2550万円に対してメンテナンス費用は1600万円、光熱費は2600万円にもなります。対してライフサイクルコストを考えた住宅の光熱費は2150万円になり、なんと450万円も違ってきます。
人生で一番高い買い物は土地建物と言われますが、生涯に支払う光熱費の方が住宅ローンより高額になる計算になります。
それと侮っていけないのが電気代です。50年後は2倍超に上がり続けるのが電気代になり今現在も日本の電気代は上がり続けています。。
エネルギーコストの上昇率を加味する必要もありますが、経済産業省の発表資料によると電気料金は過去40年間で年率平均2%で上昇しています。国のエネルギー政策次第ではさらに上昇する可能性もあります。
仮に上昇率2%で電気代が推移した場合、現在の電気料金が年24万円だとすれば10年後には約29万円、30年後には約43万円、50年後には63万円にもなります。

メンテナンスコスト

この方が85歳までこの住宅に住み続けたとしてます。50年間の長い時間の中で、一見同じ価値をもつかと思われた両方の住宅にメンテナンスコストの違いが出てきました。ライフサイクルコストを考えた住宅は、強い耐久性のある材料をバランスよく使用していたために、修繕費があまり必要ではなく少額だったとしましょう。
普通の住宅は50年間に1600万円
ライフサイクルコストを考えた住宅は50年間に1400万円
台風で壊れた部分を修理したり、何度か外壁を塗り直したり台風で壊れた屋根の修理等で、50年間という単位で見てみれば、当初はお買い得でお得と思われた普通の住宅は、実は200万円も費用がかさんできます。
ランニングコストとメンテナンスコストの差を計算するとなんと650万円が差があります。

ライフサイクルコストを考えた計画や仕様

もし大規模なリフォームをした場合や何かしらのメンテナンスが家の構造に必要な場合は、その構法が一般的に流通している構法かどうかが重要になってきます。
つぎにメンテナンスが必要になってくる部分としては「屋根」「外壁」となります。
とくに外壁は想像している以上に、定期的なメンテナンスが必要となります。
約10年ごとにまとまった費用が掛かり、ローンの返済と併せると大きな負担になります。
外壁材は、メンテナンスの手間と費用を抑えてくれるのが理想です。
汚れを寄せ付けずいつまでも美しい住まいを守る汚れが付着しにくく、雨と一緒に流れ落ちるセルフクリーニング機能付きの外壁等を考えましょう。メンテナンスの手間もコストも抑え、建てたときの美しさを長く保ちます。
通常10年ほどで塗り替えが必要になる外壁も、汚れやキズに強い外壁なら安心です。狭小地の3階建て住宅の場合、メンテナンス工事のための足場を組むにも費用がかさみます。メンテナンスの頻度を抑えられる外壁材を採用しましょう。

日々暮らしていく中で、必ず必要となってくるのは光熱費です。
住まい自体のエネルギー効率を高めることで、省エネに配慮した暮らしが大切です。
家全体で断熱性を考え、省エネ性を向上させ光熱費を抑える家づくりしましょう。

光・風に素直なパッシブ設計

日射遮蔽夏の暑さ対策夏の暑い日差しを室内に入れないようにすることで室温が上がるのを防ぐことができます。断熱性能を高めるのと同時に考えたいのが日射遮蔽であり、夏の暑くて高い位置から差し込む日差しのみをカットする設計日射遮蔽を考えずに、断熱性能のみ高めると夏は室内が暑くなってしまいます。
すだれ・スタイルシェード・ブラインドなどを活用する設計や窓の方位で窓ガラスの使い分けをしましょう。
太陽光・日射・熱風などの自然エネルギーをうまく利用しながら、快適で満足のいく住まいづくりをするための設計士法を採用し、創エネ・省エネ・断熱で家のエネルギー収支をゼロ以下にする住まいづくりをしているZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を標準採用し、小さなエネルギーで心地よく暮らせる住まいづくりをしましょう。
高断熱の住まいは、冷暖房も必要最低限で済むので光熱費を大幅に抑えます。環境にもお財布にも優しい住まいは、この先永く安心して住むことができます。

補助金

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅関連事業(補助金)
LCCM(エルシーシーエム)(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅とは、建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO2に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2排出量も含めライフサイクルを通じてのCO2の収支をマイナスにする住宅です。
地域型住宅グリーン化事業やLCCM住宅整備推進事業として実施予定であり、応募要領・様式等は近日公開予定となっています(2022年4月初旬現在)

あとがき

ライフサイクルコストを考えた家づくりとは、ズバリ断熱性能の高い家です。
高断熱住宅は生涯光熱費を大幅に節約できます。
これから家を建てる人、新築をご計画の人は、断熱はしっかり!! そして使う材料は徹底的に調べましょう。
建築費だけでなく、そのあとのライフサイクルコストを考えて建てるようにしましょう。。
建築費の説明だけでなく光熱費なども含めた総費用を説明できる建設業者さんを見つけるようにしましょう。
それと家づくりを効率的にするには実は「間取り」が大変重要になってきます。

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